エム・アール・エス所長:丸田達夫
著  作
 
金物店経営者専用ページへ お問合せ
金物専門店経営の新機軸
エム・アール・エス 所長:丸田達夫
注)本ページの著作権は所長:丸田達夫、エム・アール・エスにあります。無断での転載、転用は固くお断りいたします。
小売業は時代対応業である
所長:丸田達夫















専門小売業は時代対応業である。

 金物専門店を真剣に考えると・・・
            エム・アール・エス所長 丸田達夫
 今こそ「原点にもどって考える」ことが大切です。
遅々として進展を見ない金物専門店にとって、体質的に新しい業態への転換がどうしても難しい状況下にあることは、アンシャンジーム(旧体制)とフューダリズム(封建制)が金物業界全体の金物店に対する近代化への感性不足と力量不足の現状に追い込んだ結果と考えていいでしょう。
金物業界全体で一つの方向性を打ち出し、新たな流通網の構築によってネットワークされた業態化をもっと早く模索すべきであった。

つまり米国に見られるボランタリーチェーン、すなわちエースハードウェアーやトリューバリューのような、小売店主導、もしくは問屋主導のグループ化による再編成が必要であった。私がこの二十数年間金物業界の実態をつぶさに見てきて得た結論は、金物業界そのものが永年継承されてきた業種であることが業界を細分化・私物化させ、近代的な再編成へんp動きをかたくなに阻止していたと考えることができる。

全体的な再編成が難しくなってしまった今、私達は真剣に「個」としての金物専門店のあり方を考えねばならない。ここでどの金物専門店も容易に転換できる形態は、私がここ数年提唱し続けているハードカテゴリーセンターしかない。(このページのVol.4ハードカテゴリーセンターとは何かを参照)にすることで、間口の広い、信頼性の他界、時流的にも理解されやすい専門店として、経営の活性化と必然的妥当性を手にすることができる。
転換というと、まったく新しい未知なる業種と考えがちで、斜に構える向きが多いのは残念なことである。果たしてそうであろうか。ハードカテゴリセンターという呼称が、ともすれば大きな店をイメージさせるのだろうが、今のままの店舗で充分である。経営にさらなる機能をとりいれればいいだけのことである。

こんな簡単で容易なことが何故できないのだろうか。機能とは、客に提供できる範囲の拡大(金物店経営者にとっては身近な事象ばかりでアレルギーがないはず)、コンセルジェ(人間的に知性と知識と暖かさのあるコンサルティング的対応)の徹底化、まずはじめに小商圏を徹底的に自店のドメイン(寡占)にする誰にも負けない気力とその実現、など言ってみればどれもこれも経営の基本である。
あれやこれやと思い悩んでいつよりもこの基本をしっかりと自分に取り込もう。これが今風に言う「原点に戻ろう」ということだ。
これを難しいと反論する経営者に、もはや金物専門店としての明日はないだろう。
素直な気持ちで新たに経営を見直そうという経営者には絶好のチャンスである。
勇気と自信を持ってハードカテゴリーセンターの実現に邁進しよう。そのためには、かつての栄光や名誉、経営手法をいさぎよくかなぐり捨てても右脳的発想に切り替えることが必要だ。時代の大転換期には頭の中をいち早く真っ白にすることが何よりも大切なことである。これは鉄則だ。あたかも新しいキャンパスの前に立ち、目を輝かせる画家のように、ハードカテゴリーセンターへの転換に業界こぞって理解と敬意を表し、皆で「業界の活性化」に向かおうではないか。


























24.下請け体質から抜け出せ

流通業の世界が、にわかに あわただしさをましてきた。
大局的にみていよいよ再編成と消滅が終局的な場面をむかえている。とくに外資との提携やM&Aが深層部では真剣に検討され、国籍背番号をもった企業がなくなってくる。表現をかえればグローバル化の大きな流れが、国境という垣根を完全にとりはらってしまおうという、もはや絶対に阻止できない世界的な動きである。国と国との取引はなくなって、流通集積力の大きな地域や都市間の流通が始まる。まさに世界史に登場する、はるか遠い昔の都市国家が世界を動かす時代になった。 大きな変革の時代に、古い頭では絶対に理解できない、流通業に携わるすべての人間が、純真無垢、真っ白なキャンバスにむかって筆を走らせる時局に直面した。


ホームセンター(HC)も最終的には数社に絞り込まれて、熾烈な競争時代に突入することはいまや疑う余地もない。 さらにHCは売り上げのおよそ70%が雑貨マーケットであって、ドラッグストアーやスーパとの市場争奪戦が最大のハザードになる。
残りの30%はインテリア、園芸、DIY,リフォームの各マーケットである。 
金物専門店の時流への対応が稚拙であるため、DIYマーケットはHCへと定着しつつあるが、これも長い歴史を有し、寡占業種として永年マーケットに君臨し続けた金物業界と金物店の自らの責任である。
 
インテリヤは家具店、15年も前から時代を見据えた計画的な発展を着実にたどってきたニトリにみられる専門大店、あるいは、長らくもたつきながらも日本上陸がついに決定したスウェーデンの驚異のイケアに、園芸はHCではとても追いつけないとみられるような深層を研究しつくしたマーケティングを展開するファ−マーズのような大専門店に、そしてリフォームはハウスメーカー、ホームビルダーやリフォーム専門店に生活者の購買ルートが決定されようとしていることだ。


金物専門店(ハードカテゴリーセンター)は全知全能を傾注してリフォーム業界の「絶対的雄」になることだ。 新しい分野であるだけに、古い分野の金物店が心機一転、自らの専門分野にとりこむことは、これまた二度とない最後のチャンスである。 
新築住宅はさきのハウスメーカーやホームビルダーにとって替わられ、新築現場からの受注はなくなった。 なんともあたりまえのこではないか。


従来、待ちの姿勢を基本にして経営を行ってきた金物店が、それで食っていけた時代はよかったが、今となっては、存在しえない経営のあり方である。 すなわち、私がこれまで何度も繰りかえし提言してきたように、住宅の新築戸数が減るから、店の売り上げも下がるという「相手任せの経営」は、この業種が建設業の単なる「下請け業」でしかないことを的確に物語っている。  

さて、ここでリフォームへの取り組み方であるが、この分野では金物店には絶対有利な立場というものがある。 地元で信頼のある、そして顔の見える存在だからである。 親身になって仕事に応じてくれるという安心感を生活者がもっていることだ。 いままでリフォームなんて仕事として考えたこともないし、また自信がないなどと嘆いてはならぬ。職人をグループ化して仕事にあたればいいというだけのことだ。 
詳しくは私の「リフォーム論」で述べているので、ここでは、具体的な一例を私の体験的な見地から書いておこう。


ウオシュレットの取付け・取替えやフローリングの施工などから始めるといい。 
名誉のため、HCの名前はあえて伏せておくが、自宅のINAXトイレのウオシュレットを取り替えるため、私のところのものとの適合性について聞いてみた。 リフォーム担当者は現物のサンプルを見せて「お客さん、ここからここまでの寸法を測って来てください、 それでOKですよ」というので寸法を測って再度HCに発注のため出向いた。  取り寄せに10日ほどかかりますといわれて、そんなに時間がかかるのはおかしいと思いつつ気軽にお願いした。 2週間ほどかかってやっと商品が届いたとの連絡が入る。。 
自分で取り付けてみたら全然サイズがあっていないのだ。水道の3次配管までやったのに、こんどは取り外し作業だ。HCへ返しにいったが担当者の説明では、このタイプのINAXトイレには2種類あって、種類によって違うというのである。 
私もそのような事情を知らなかったので全面的に相手を信頼してお願いしたのだ。 
HCでのリフォーム担当者といってもそんな程度のものだ。 取替工事はいたって簡単である。

またフローリングの施工ということで、私は自宅の6畳と12畳の部屋の床張りをしてみた。 
私はずぶの素人なので 前者は一日足らずで、後者は一日半かかったが双方ともきれいに仕上がった。
6畳のフローリングを例にとると、業者に依頼するとやすくて8万円程度するというのが1万5000円ですんだ。 1坪4800円の床材を3束買って、それにフロアネイル38ミリの小パック、と先にとんがりのあるフロアネイルようポンチを買っただけだ。

これら一連の話は、金物店の店主自らがこのような受注をしただけも、結構利益はだせるというをいいたかったからだ。  価格的なことは私がここで述べるよりも金物店経営者のほうがよっぽどくわしいはずであるし、また私とは比較できないほど施工力があるはずである。  そんなことはすでにやってるという経営者も多いと思うが、そういうスキマを地域密着で埋め尽くしていくのが経営者の仕事ではないのか。  やる気があれば、まだまだ利益をだせる能力と信頼を持っているのが金物専門店なのだ。

追記:チーフコンサルタント:石井貴和
まさに、金物店の存在価値そのものが危うい時局を迎えたことを、金物専門店の経営者は自覚した上で自らの方向付けを決定しなければならない。
何故ならば、拙宅の周辺でにわかに、住宅開発が行われ始めた、工法等を見てみたいと犬の散歩がてら周辺を歩いてみると、各職人さんが額に汗して働いている、そして必ずと言って良いほど、ビス、コーキング、各種テープ類等々現場での間に合わせ資材が○ョ○○○本○の袋に入って傍らに置いてある現実。
数10m行った所に現場資材を中心とした専門店が2軒もあるのに、その内1軒は街道沿いの駐車場まで完備しているにどうしてだろう…?休憩している職人さんに聞いてみた。「近くの金物店に行っても、必要な物があるかどうか判らない、無駄足をするなら、少し遠くでも確実にあると判っているHCへ出かけたほうが間違い無いし、手間のも無い」ここが問題である。扱っている商品を見えるように収納していない、お客に言われて品物を出す…これが煩わしい…イメージそのものを替えていかなければ、客離れはもっと進行するであろう。職人さんの買い回り客はHCに取られている現実をもっと真摯に受け止める必要がある。
お得意さんから受注を受け、品揃えして納品、配達する…一般的な金物店の方法である。逆に注文が無ければ売上につながらない…これでは職人さんの下請けといっても言い過ぎではないであろう。
問屋さんの営業マンが回訪して、在庫を調べ品薄、在庫切れの商品を拾い注文を取っていく…自店の在庫管理すらも人任せ…これは甘えの体質であることを、もっと認識しなければならない。
つまり、金物専門店は基本的に甘えから成り立っているのではないであろうか。

今、高齢者社会を迎え、老人施設は満杯状態、行政は在宅介護を進めている。高齢に成れば部屋の照明照度を上げないと生活し難い。寝たきりになれば介護用ベットのお世話にならなければならない。トイレ、浴室も対応工事を、また自立生活を送るために手摺の設置も必要になる。反面、行政側のケア−マネージャーは案件を抱え過ぎ手一杯の状態でいきおい福祉関係商材を扱い、ケア−マネージャーを抱えている業者に代行してもらわなければ需要に追いつけないのである。
少なくても、手摺工事は金物店の守備範囲である。「公的介護保険を使い、手摺工事を受けます。」金物店が窓口の業務をしてもらえれば利益を分配します。…といった金物関連業者もある。
金物店側としてみれば、受注だけして全て業者に丸投げすれば、利益になると考え、窓口のPOP,ポスター等でアピールしている積もりだが、そんな甘いものではない。
ケアマネージャーの資格を得なくても、福祉住環境コーディネイター2級以上の資格を得れば、ケアマネージャーに代わって介護保険申請が可能なのである。
業者の窓口、人任せだから受注が起きるはずも無い、自ら積極的に資格を得て、かつてのお得意さんだった職人さんに責任施工をしてもらい、営業、現地確認、設計、管理、申請業務を行うことで、1件当たり十万円程度の利益に成り得るのである。
事を成す時、シッカリと知識を学び、自信を持って対応しなければ仕事になり得ないのである。
人任せ、受身の体質を改善しない限り、金物店として経営は成り立たない。地域に、先代から営々と築き上げた信用と実績が最大武器となって、地域貢献をしながら利益があがり、お得意さんの職人さんに仕事が回せる、結果として利益が生まれるシステム創りこそ、金物専門店として成すべき仕事ではないであろうか。

少々過激なことを書かせてもらったが、金物店自ら“気付き”“改善”し店の風土を替えない限り、利益は上がらないと警鐘を鳴らした次第である。
INDEX↑









23.「原点に戻って考え直そう」の今日的理由
遅々として進展を見ない金物専門店にとって、体質的に新しい業態への転換がどうみても難しい状況下にあることは、金物業界全体の金物店に対する近代化への感性不足と力量不足の結果と考えていいだろう。 
 金物業界全体で一つの方向性を打出し、新たな流通網の構築によってネットワークされた業態化をもっと早くに模索すべきであった。 
つまり、米国に見られるボランタリーチェーン、すなわちエースハードウエアやトルーバリューのような、小売店主導、もしくは問屋主導のグループ化による流通再編成が必要であった。 
 私がこの20数年間金物業界の実態をつぶさに見てきて得た結論は、金物業界そのものが永年継承されてきた古い寡占化された業種であり、問屋ごとの縦割り構造と古い感覚の業種であることが業界を細分化・私物化させ、近代的な再編成への動きをかたくなに阻止してきたと考えることができる。
  全体的な再編成が難しくなってしまった今、私たちは真剣に「個」としての金物専門店のありかたを考えねばならない。
 ここでどの金物店も容易に転換できる形態は、私がここ数年提唱し続けているハードカテゴリーセンターという業態である。
 この転換によって、金物店のサービス範囲を有機的(すでに別項で述べたハードカテゴリーセンターとは何かを参照)にすることで、間口の廣い、信頼度の高い、時流的にも理解されやすい専門店として経営の活性化と必然的妥当性を手にすることができる。
 転換というと、全く新しい未知なる業態と考えがちで、斜に構える向きが多いのは残念なことである。 はたしてそうであろうか。 そんなことはない。 いとも簡単なことではないか。 
 ハードカテゴリーセンターという呼称が大きな店をイメージさせるのだろうか。 いや、いまのままの店舗で十分である。
 経営にさらなる機能をとりいれればいいだけだ。 こんな簡単で容易なことが何故できないのだろうか。
 機能とは、客に提供できる範囲の拡大(金物店経営者にとっては身近な事象ばかりでアレルギーがない)、コンセルジェ(人間的に知性と知識と暖かさのあるコンサルティング的応対)の徹底化、まずはじめに小商圏を徹底的に自店のドメイン(寡占)にする誰にも負けない気力とその実現、など言ってみればどれもこれも経営の基本である。
 あれやこれやと思い悩んでいるよりもこの基本をしっかりと自分にとり込もう。
 これが今風に言う「原点の戻ろう」ということだ。 難しいことではない。これを難しいと反論する経営者に、もはや金物専門店としての明日はない。
 素直な気持ちで新たに経営を見直そうという経営者には絶好のチャンスである。 勇気と自信をもってハードカテゴリーセンターの実現に邁進しよう。 そのためには、かつての栄光や名誉、経営手法をいさぎよくかなぐり捨てて右脳的発想に切り替えることが必要だ。 時代の大転換期には頭の中をいち早く真っ白にすることが何よりも大切なことである。 これは鉄則だ。 あたかも新しいキャンバスの前に立ち、目を輝かせる画家のように。 ハードカテゴリーセンターへの転換に業界こぞって敬意を表し、みんなで「業界の活性化に」乾杯をしようではないか。
INDEX↑







































22.ホームセンター論-4

Phase 4 ホームセンター(HC)の今後。

(1)HC間の壮絶な戦いはこれからが本番,HCについていろいろと書いてきたが、時代の経過とともにHCの内容が予想を遙かに超えて、充実してきていることは否めない事実である。これは、HCの経営者が競合のひしめく中を、時差こそ存在するものの、必死になって自店のさらなる優位性づくりに取り組んできたからである。しかし、裏をかえせば、結果的には同質的な経営方位に収れんしてきている現況は、どの業態においても見られるように、成熟期の終わりを迎えているといえよう。

表現を変えれば共存共栄時代の終わりでもあり、今後は、ひとり特化されたサービスの質の内容で勝負することになる。 最もむずかしい最後の問題への挑戦である。 すなわち極似した低価格化、商品、販促、サービスから抜けださないかぎり、どの店も同質の域を脱し得ないということだ。 ついにやってきた。 HC経営の難しさはこれからが本番である。
吸収・合併・提携」など再編成を繰りかえしながら、突出したサービス形態を創出した米国のホームセンターは、まさに今後日本のHCが学ぶべき生きた手本であろう。


(2)サービス内容の徹底的バトルが始まる。 
サービスといっても、従来型の要素にたいしてのプラスアルファ型新サービスということだ。 新サービスについては、別項の論文でとりあげたが、知的レベルの高さ、人間的対話、人間的交流、人間的暖かさによって、客を虜にするレベルのものへと次元が高まる。 前回にも書いたがジョイフルホンダは独自の経営手法を開発し、ジョイフルホンダでなくてはならないという超魅力的であり奥の深い、いわゆるディスティネーション(絶対的目的買い)型の店舗開発を実現させたその先進力には、ただただ脱帽するのみといってよい。
私の住まいから一番近いジョイフルホンダ守谷店のジョイフル2(アートクラフト・文具・プリンティング部門)の若い聡明な一人の女性スタッフがこれまた凄い。 各スタッフの担当分野ならいざ知らず、どのコーナーの商品についても見事なばかりに卓越している。 客は無条件に納得し大きな満足を発見する体感場である。 同じことがオールドフレンド(アンティーク家具・雑貨部門)でもあてはまる。「何故なんだ」と自問自答したくなる。 このようなスタッフが多いのと、常にスタッフ同志が知識・情報交換をしあっている光景がこの店の原点であるとしたら末恐ろしい。 当然、ハード部門についてもいえることだ。 この経営哲学に追従できるHCになるのは、まさに至難の業ともいえる。HCの今後は険しい。

(3)商品の取り寄せ機能の充実が加速する
HCに対するイメージは、解り易く整然と分類・陳列して在庫商品を売る店というのが常識であった。

最近ではメーカー、卸売業が各自にコードナンバーをつけた総合商品カタログをHC各店に配布し、HC側が発注しやすくしているため、サービスの高次元化の一環として、この分野にも新たな競争が始まった。
金物専門店に比べて流通量が多いため、メーカーや問屋がその意に添いやすい状況が生まれている。 金物専門店への流通が細くなってきている反面、HCへの流通が太くなってきていることがその背景にある。ということは、金物専門店のお家芸の分野が浸食されつつあるということだ。 きびしい言い方になるが、常日頃が熾烈な戦いのまっただなかにあるHCの体温と、待ちの姿勢の経営者が多い金物専門店の体温との落差のせいであろう。


(4)HCではDIYやDIYリフォームする一般客は増える。
100円ショップの大進出でHCは大工道具・工具、とくに接着充填材・メジャー・カッターなどの影響はたしかに大きくなる。 ドライバー、ペンチ、ニッパー、ゴム柄ネイルハンマーなど素人が使用するなら100円商品で十分だ。しかし、ここにきてHCではDIYでリフォームする一般客が着実に伸びてきているため、100円ショップの影響は、売上高では相殺的に緩和される傾向が生まれてきている。
金物専門店へのDIY客は減少の方向からは脱し得ない。 私の提唱するハードカテゴリーセンターでは、一般客には、リフォームそのものを売ることが重要な仕事になる。 いまやDIY客のHCへの流れは定着する方向にある。

(5)HCのクレジットつき自社カードによる期限付き一括払いが金物専門店の商法を変える。
プロ客の世代交代が、かつての支払いのルールを変えることになろう。 世の中すべての商取引が合理的・近代的になってきていることに理解をしめすプロ客が増えてくる。 その代償としてHCに負けない価格での商品を提供することが大前提になる。 プロ客も時代の変化とともに合理的な生活・社会信条をもつようになるのは自然の流れである。。 かつては、こんなことはあり得なかったことであるが、 一般社会通念からしても一括払いへの抵抗感は自然に弱まり、金物専門店の近代的経営に、逆に一役買うことになろう。 そうだ! これこそチャンス到来である。 願ってもないことではないか。 金物業界全体がこの改革に取り組まないかぎり、金物専門店の健全な軌道は描けない。こうしないかぎりいかなる経営論理も成り立たないことはIT時代の計画経営にとって、まさに基本中の基本というべきではないのか。
金物業界の大きな出遅れは、まずこのあたりの精神構造の待ったなしの変革でしかない。

INDEX↑



























21.ホームセンター論-3

Phase 3 ホームセンター(HC)は脅威たりうるか。
HCより怖いディスカウント金物専門店
ケーヨーD2の南下とコーナンの北上は日本全土を標的として熾烈な戦いの様相を呈しはじめている。 この両者はいったん提携関係を結んで巨大資本での全国制覇を目指したものの、拮抗する力関係と両者の目標とする究極の出店エリアが同じであったため、単独での全国制覇の野望を捨てきれずに、提携の解消を異口同音に宣言してついに敵対関係としての戦争が勃発したという経緯がある。 
このことは企業同士の力関係が拮抗する場合の提携がいかにむずかしいものかを率直に物語っている。

両者とも米国のホームセンターにくらべると、徹底したヴァラエティー型であり、いわゆるノンフードの総合ディスカウントストアーという位置づけであるが、これが日本型ホームセンターの特徴である。 
売り上げ構成比でもハード部門は園芸関連を含めても20%強程度ではあるが、戦略的にはハード部門に特にシフトしていることは確かである。

全般的にハード部門の商品も価格は両者とも低価格を実現し、いまや低価格はあたりまえであって、付加価値としてのサービスやアメニティーで勝負に挑んでいるのが現状である。

本来、金物店は専門店として、どこよりも商品が豊富で商品価格は他に負けないものであるとするのが一般的な見方であるが、ここにきて価格面ではメンツ丸つぶれの状態にあるのは、かつてない危機的局面にあると言わざるを得ない。
金物店経営者は安閑としてはいられない。 もはや、掛け売りをしているから割高になるという理屈は通用しない。誰がどこで何を買おうと各自の判断一つであり、なんの拘束もなく、常識であるということを「商いの原点」にもどって考えなくてはならない。 こういう緊迫感のない経営者は今後の経営者たりうることは、もはや不可能になった。一刻の猶予もない。 これが現実だ。


私はかねてより金物店はホームセンターには絶対に負けるものではなく、かつ専門店としての体面を充分に発揮できる業種であって、堂々と我が道を進めばいいとする論調を展開してきていることは周知のとおりである。

しかし、ここには前提というものがあるのだ。 それは時代の変化に上手に対応してのことであって、熾烈な競争にうち勝つため超前進的な経営努力をおこなっているホームセンターに、なにもしないでただで勝たせてもらうと言うわけにはいかないのだ。
 シリコンシーラントやCRC556が298円で売られている現状を、プロ客に対してなんと説明するのか。 プロは知ってしまっている、そのことを。 問題はついにここまできてしまった。こんな事態に至ったのは、将来を予測して業界全体が強力な組織づくりと流通のシステムづくりを怠ったからにほかならない。
私はここ数年、この組織づくりについて業界にいろいろと呼びかけ、打診してきたが、積極的な反応は得られていない。 
それは、問屋が各自の顧客を投げ出しても再編成という大テーマにむけて、それ以上に重大な意義をもつ組織をつくることをメーカーや小売店を含む業界全体がためらったからにほかならない。 
たしかに、ことのむずかしさは私にもよくわかるが、地殻変動にも似た大変革の時代には、清水の舞台から飛び降りるほどの勇気がいるものなのだ。ちまちまと小手先だけで再生ができるというような、なま易しいものではないのだ。


しかし今となっては、どうしようもない。 どうしようもないからそのままにしておいていいというものではない。最善の手だてを講じなければならない。 
すなわち、POS導入で今まで勘にたよっていた部分を徹底的に科学的に分析し、ロスを最小にし、効率を上げ、インターネットを自店のために優位にとりこんで、繁盛店になることだ。


いまご覧のホームページの別サイト「金物専門店の仕入れ情報」などを利用して経営のノウハウ、グループ購入や特売商品、あるいは同一品目で他にない良質で廉価なブランドの商品で経営を活性化させることも大きなその一つである。 

そのためには、多くのメーカーや問屋のこのサイトへの積極的な参加と集中がなによりも大切なことであり、ホームセンターの低価格体系にも対応することができるようになるのだ。 
今や、このサイトを利用して絶対的な優位にたつことを、ためらってはならない。 
数多くの有効情報が満載されているのがエム・アール・エスのホームページ、すなわち「
金物ねっと・ドット・コム(kanamono-net.com.」である。

ホームセンター以上に脅威なのが金物ディスカウント専門店である。 
ホームセンターとはちがって、プロ客が行きやすいのがこの店の特徴であり、金物店にとっては、頭の痛い存在である。 関西でスタートしたこの業態はハード商品のみを豊富にとり揃えた、プロの入りやすい専門店としてのたたずまいで、今後多店舗が展開される情勢にある。 
コーナンが一部で展開しているプロショップ・コーナンとはわけがちがう。 ただし、キャシュ・アンド。キャリーの店である。 今、金物ディスカウント専門店の情報収集や、そのノウハウが知りたくて店の経営者に面会をもとめる金物店経営者は数多い。 
今や、 関東でもその動きが始まろうとしている。 この混戦から一歩ぬきんでて、安全に担保される金物専門店(ハードカテゴリーセンター)になるための選択肢は非常に数少なくなりつつあることを金物店経営者はよく認識すべきである。
INDEX↑








































20.ホームセンター論-2

Phase 2 ホームセンターの現状

おおよそ20%以下のホームセンターの店舗で、ホームセンター市場の80%以上を売りあげているという現状から考えて、ついに群雄割拠の時代といわれたこの業界も、合併や提携などによるグループ化が加速し、日本列島が今、主要グループによって勢力図が新しく塗り変えられつつある。 ということは、この熾烈な競争も経営の基本要素であるABC分析の理論にかなった形態への収束という流れの中で最終局面への大きな動きが始まったといえる。
 さらなる動きとして、スーパーセンターへの取り組みが最終戦略としてにわかに活発化してきていることも、時代の変化の凄まじさを物語っている。  私がこのweb連載論文2「ノンフード関連業態は三つの業態に収束する」 ですでに発表しているように、ここ5年来の私の予測は的中した。 
ここでもういちどスーパーセンターの概要を説明しておこう。 すなわちディスカウントストアーの特性を強く打ち出しつつあるホームセンターは、さらなる売り上げの増大と、一方ではカテゴリーキラーの脅威に徹底的に対処すべく集客力の非常に高い食品部門をとり入れ、ノンフード部門とフード部門をジョイントすることで、この二大マグネットによる相乗効果によって売り上げの増大を狙おうとする構図である。
とくに今
,ベイシアグループであるカインズの動向とイオングループによるホームセンターとの提携によるスーパーセンター計画がそれである。 日本上陸が決定したウオルマートの主力もスーパーセンターであることをよく理解しておくべきである。
そうかといって、金物専門店はなにもたじろぐことはない。 商圏が大きすぎてプロ客には物理的・時間的にアプローチしずらいという大きなマイナス要素が残る。 これは、私がつねに言い続けている金物専門店有利の論拠でもある。 しかし、そうかといって安心することは禁物である。 そこには価格の問題がある。 この問題については別の論文として発表したい。
さて、ホームセンターの現状として、大きく二つのタイプに大別されよう。 すなわちジョイフrホンダ型とカインズ型である。

@ ジョイフルホンダ型
注目度日本一といわれるこの店は、1976年に1号店をだしてからいまだに13店舗と、ロースピードランナーである。 カインズなどは1989年にスタートしてすでに
130店舗というスピードである。
 ジョイフルホンダは非チェーン理論を徹底し、他のホームセンターに比べて非常にユニークな経営が注目されている。 つまりホームセンターは夢を売る場であるという高遠な経営コンセプトをもっている。
 PB商品への取り組みかたをみてもそのコンセプトが明確に表現されている。
すなわち、布製のガムテープでは、8色もの商品が用意されているが、いうまでもなく回転率はよくない。 生活者に夢を売り、さらに無いモノはないという徹底した商品構成が売り物なのだ。 まさに専門店としての風格づくりそのものである。 品揃えが豊富なだけに、プロ客やハンディーマンの来店は確かに多い。 
ただプロ客にとって、問題なのは金物店に定着している慣習としての掛け売りができないことだ。 もちろんクレジットカード込みのメンバースカードが使用できるものの、全額一括引き落としがプロ客には、絶対的にマイナーな要因となっている。 もちろん、このような取引の仕方は金物専門店にとっても今後改善を迫られる問題点なのではあるが。
売り場には多くの従業員を配備させて、客へのサービス体制は万全である。  客の質問に対しても、すぐに返事がかえってくるし、場合によってはそれ専門の従業員がむずかしい問題も即座に解決できる知識をそなえもっているのは立派なものである。 各部門担当者が販売企画・商品企画・数値管理を自らおこなうことで、ますますその部門に関しての経営手腕をあげてきている。


売り場では、よく従業員同士が話し合っている光景を見かけるが、客から受けた質問や難題について、たがいに情報を交換しあって、それぞれが身につけようと努力しているのだという。 金物専門店もこれを注視する必要がある。
ハードカテゴリー部門では時流に沿わず、ディジタル化しないで、依然としてアナログな手法を採用している。 商品発注はすべて手書き伝票であり、価格表示はハンドラベルで、レジは手打ちである。 これはすべて、スタッフが商品に親しむためのものであり、また勉強するための場をあえて創出し、提供しているのである。ジョイフルホンダは今後の展開方法はグループ形成ですすめていく考えである

A カインズ型

 売上高日本一である。 あくまでもチェーン理論を踏襲し、単独拡大路線を歩む。 すなわち、レギュラーチェーンとフランチャイズチェーンで展開する。  EOS発注POSレジを駆使したディジタル化が経営の基本にある。 商品開発でも回転の悪いPBは一切とりいれない。 徹底した効率主義を採用している。
 以上のことから次のような考え方で前者後者を言い表すことができる。
 すなわち、ジョイフルホンダ型は逆張り経営「ムダx非効率=高収益」、 ベイシアグループのカインズ型は超効率経営「安売りx複合」である。 
INDEX↑





































19.ホームセンター論

Phase-1 ホームセンターの実像
ホームセンターの実像 
 今回と次回にわたってホームセンター論をテーマに、phase 1 ではホームセンターの実像を、そしてphase 2ではホームセンターの動向 について詳述してみよう。
 この数年間、資材館を併設するホームセンターが増えている。 ヴァラエティー型業態での生き残りが、むずかしくなってきたことで、ハード部門を専門特化させて他社との差別化をはかり優位性と存在価値を全面にうちだそうというのである。
 しかし、ごく一部のホームセンターを除いて、大多数が非採算性部門であることは間違いない。 それは、もともと資材館の経営手法そのものが、ホームセンターのルーチン化された従来の経営フォーマットとは、全く異質のものであり、 かつ異質のマーケティングを必要とするからである。 表現をかえれば、ホームセンターの売り方で、この分野までが網羅できると思いこむこと自体がそもそもの間違いであるということだ。 見せかけだけで、つじつまをあわせただけの部門での採算は非常に難しいということだ。
 売り場占有率から見れば、四分の一くらいの巨大なスペースを割いてのことだから、さらに驚きというほかはない。
 このスペースの商品構成を見てみると、土木建築資材、農業資材の二つを見せ場にしようとしているものの、売り場面積が広すぎて商品アイテム数が著しく不足するあまり、通常ならば他のカテゴリーの分類されてしかるべき商品までがその穴埋めとして使われていることに気付くであろう。 特にかさばる商品の置き場になっていることが多く、その分だけ資材館としての迫力を欠くことになるのが一般的なホームセンターの実態である。

 例えば、バケツ、ペール、漬け物容器と重し、コンロ、神棚、ゴミ袋、物干しスタンドなどイッパイある。

 土木建築関連では、圧倒的な売り場構成を誇るのが、2×4,2×6、・・・・などツーバイフォー用材やその他の木材、コンパネ、ドア、天井材、床材などである。 それも例えばジプトン9ミリ厚は1坪980円、相場変動はあるものの 5ミリワイヤーメッシュ15センチ角1m×2mは350円前後で、金物店、建材店と価格はあまり変らない。

 問題は農業資材関連であるが、大きな売り場占有率のわりには、農閑期などを視野にいれると、大変率の悪い売り場でしかない。 耕運機、エンジン式芝刈り機なども勢揃いさせているが、これまた売り場占有率は非常に大きい。 その価格も米国に比べて2倍以上と高値がつけられていて、グローバル化時代の流れを取り込む先進した流れは全く感じとれない。
 ホームデポで売られているブッリグス&ストラットンのエンジンを搭載したマーレー社や、ベイシック社の22インチ四輪芝刈り機などもその一例である。 ハード機器では、ジェネレーター、ポンプ、コンプレッサーなど高価な商品が並べられているが、いずれも回転の悪い商品である。

一体、資材館がターゲットとする客層は誰なのか。
ハンディーマン(多能工)や農家向けというのなら、まだ話はわからないでもないが、建築土木のプロ客を対象にしているとなると、これまた大変な間違いであるとしかいいようがない。
まず第一に、これだけの資材の在庫を維持し、回転させていくためには、よほどの広域商圏の設定が絶対条件となるが、現実、広域商圏でのプロ客の吸引は不可能に近い。
 アクセスに多くの時間を要するからだ。 そのへんの詳細にわたる視野がまったくないといえる。 時間で仕事をしているプロ職人にとって、アクセスの難易度の問題は致命的なものになるのだ。 そこがわかっていない。 まったく困ったものだ。 プロ職人は必然的に近場での資材や、物品調達が常に最優先されることを前提に経営戦略が組み立てられなくてはならない。「この事実を無視すれば、すべての情勢判断、すべての情勢分析は誤らざるをえない。 最初に前提を間違えた判断や分析は、いかに精密になされようとも、正しくはなりようがないのだ」というフレーズを忘れてはならない。


 米国では、高速道路を15分も走れば必ず大型専門店にありつけるという事情が日本とは大違いである。 しかもフリーウエイなので日本のように世界一高い高速料金は必要としない。
 つまり商圏の広さやプロの特殊な属性から考えてみるとホームセンターでのプロ客の集客は非常にむずかしいと結論づけねばならない。

 第二に商品知識、取り寄せなどプロ客は多岐にわたる商品を厳しく要求する。 生活がかかっているから当然のことだ。 残念ながらそれに対応する能力をもちあわせていないのがホームセンターである。 米国では、例えばホームデポでは常時4万5千アイテムを陳列在庫し、さらに25万アイテムまでは受注発注で即刻対応できる情報管理システムが作動している。 店員は全て専門家つまり、大工、左官、板金、塗装,配管などの職に携わってきたベテランばかりである。 だからこそプロ客に対してツーカーの対応ができるが、日本のホームセンターなはまったくこういった要素はない。
 
 第三は掛け売りの問題である。 けっしていいことではないが、掛け売りはこのプロ業界に未だに存続する根強い慣習である。 資材館が外商チームを編成して、工務店、建設会社などへアプローチを試みたとしても、最後までついてまわるのが、掛け売りと売掛金の回収という手間のかかる大仕事である。 ある資材館では「掛け売りしている」とはいうものの、せいぜいクレジットカードによる一ヶ月毎の一括支払いの域を脱し得ないということになる。


 第4には配達である。 この問題を解決しないかぎり、プロ客に開かれた専門大店になることはできない。 資材館の経営はこんなにむずかしいものであることを、まず認識することである。
 そうかといって、一般のDIY客対象では、マアーケット不足で資材館はまったくペイしない。 資材館が専門特化によって浮上するという構図は虚像でしかない。 そういった意味からも金物店と競合することにはならないのだ。
INDEX↑



































18.こんな恵まれた業種はない!もし他業種だったら、あなたはどうする?
この連載の主たる目的は、流通業という枠組みのなかで、金物店経営者が時代の変化への対応を模索する戦略について解いていくものであるが、具体的なハウツーとして「こうあるべきだ」と主張しても、それは単にハードの部分でしかなく、実際に心を変えていく、いわゆるソフトといわれる部分が欠落している。
 そこでソフトの部分といわれるものこそ精神構造論であり、考え方の革新なくしては、いかなるノウハウやハウツーも正常に作動しない。 モノの見方、捉え方、考え方の正しい時流を読んで、心に強い変化jと同調をあたえることが、経営を考える上でのスタートであるということができる。このソフトの部分を中心に、まずは基本的な問題点を解決することこそ、金物店が新しい業態として生まれ変わることができる絶対必要条件である。こういったソフトの部分を省略して、いきなり具体論としてのハウツーを手がけようとあせってみても成果が得られないのが現在の社会であることをよく認識しなくてはならない。
 どんな商品を、どんなレイアウト・商品構成で陳列あるいは集積収納し、どんな客動線を店内に導入し、また商品管理をどうするか、POSを使ってその分析結果をどうとりこめばいいのかなどいろいろあろう。 今やこういうレベルでの取り組みや、システムの導入はいとも簡単なことなのだ。
 エム・アール・エスにはこれらを解決できる多くのハウツーが存在する。このように実際的な運営面での各論やシステムの導入以前に「変わらなければならない精神構造論」こそ全体の80パーセントをも占める絶対的に重要なソフトなのである。

てっとり早く 解決策として「答」だけを求める短絡的・近視眼的な取り組み態度はけっして満足なソリューションをを得られるものではなく、しょせん無意味であり、聡明な人間のすることではない。
だからこそ私は、長々と流通業の変化と、それらに対する心のまとめ方に役立つよう幅広く複眼的にとらえて発信し続けているのである。 ずばり金物店だけのことを知りたいと言う経営者に私は冷たい。 そういう人にはこの論文もセミナーも参考にしてもらうつもりはない。
 よく考えてみよう。 金物店というポジションは改革さえできれば、他業種・業態とは比べものにならないほど有利であり、かつ優位な構造的立場にいるのだ。一般的に店舗が大型化し、ディスカウント競争が激化する中で、欧米列強が日本に照準を合わせて挑戦してきている現在、業種型店が今後のあるべき姿を見つけられないでいる現状を熟視すれば、金物店は幸せな事業環境にあることを察知しなくてはならない。他の業界は大変である。 
 カテゴリーキラーが商品を専門分野に絞り込み、大専門店として他をふるい落とす戦略に打って出てきているほか、日用雑貨は100円ショップの絶対優位な経営戦略に多くの店が撤退を余儀なくされている現状を見れば、雑貨マーケティングを根本から見直さねばならないというように、業界にとってまさに重大な局面に陥っている。米ウオルマート・ストアーズ、仏カルフール、独メトロ、英テスコなど欧米の列強が日本市場のシェアを大きくかえようとしている。 とくに最強ウオルマートの進出を契機に大きく変わろうとしている。

日本の場合は、I T戦略のさらなる高度化を軸にどこまで太刀打ちできるかが焦点となる。 「商品発注」「単品管理」「データ分析」「ローコストオペレーション」で勝負だ。また日本においても、外資のシティーバンクやメリルリンチなどの金融関連企業も、その先鞭として、今やホームページにアクセスすると百貨店さながら多くのカテゴリー商品の販売を行っていることも、時代の大きな変化を読みとることができる。  
 

 スーパーの生き残りもイトーヨーカ堂とイオンのジャスコだけと指摘する専門家もいるほどだ。 To be or not to be , that is question (なすか、なさざるか、それが問題だ)シェクスピアのフレーズであるがジャスコの岡田元也社長はさらなるドラスティックなフレーズに置き換えている。 Change or die(変わるか、しからずんば死か....)と。
 またインターネット販売の米国アマゾンドットコムも最初は書籍やCDなどに絞り込んでスタートしたものの、今ではそれ以外のレパートリー商品をも自社サイトで販売するようになっている。
 日本進出のためにウエッブッサイトの多言語対応ノウハウをもつベイシス社に出資して日本語による検索サービスを成功させている
インターネット販売、これこそ虎の子のようにその立ち上げに必死であるが、ただここで一つ明確にしておきたいことがある。 それは自社だけがいち早くインターネット販売を立ち上げ、同業他社が従来の店舗販売しか行っていなかった僅かのタイムラッグ期間はこの戦略に大きな差異を見出すことが出来たという事実である。 しかしインターネットというインフラがいったん共有化され、誰もが同一手法で通販を行うことができるとなると事態は一変する。
 今やアマゾンドットコムは新たに参入したバーンズアンドノーブルの追撃を受けて横並びとなり、その差異化を図るため、アマゾンは受注から納入までのリードタイムの短縮ということで、巨大な倉庫を次々と建設し、当初考えていた少人数によるローコスト経営が可能であるといったインターネット販売も、あってはならない方向へと体質を変えてしまった。 今では7000人の大企業になってしまい、商業施設も従来型店舗を上回る投資となり、2000人をカットした。このような事例的な大局からみてもわかるだろうが、こういう嵐の中に位置しないのが金物店(ハードカテゴリーセンター)なのだ。
 金物店は見方をかえれば幸せである。 このありがたい業種にあってぶつぶつ文句をいうのは論外である。 私の提唱スルハードカテゴリーはの業態化は、絶対的であり、必然であって、明日の経営が確実に約束されるものであることを知ってほしい。
 
ハードカテゴリーセンターは住宅・土木関連商品の販売、工事力の商品化、コアコンピタンス(外部の経営資源を自店に取り込む考え方)によるリフォーム、補修、住宅販売力まで有する絶対的なポジションを得た専門店であることはつねに述べているとおりである。 
 金物店は間違いなく活性化できるというのが私の結論である。
INDEX↑
















































17.頭のいい経営者は考え方の区切りをはっきりさせる。
私はハードカテゴリーセンターが究極の姿であることを主張し続けているが、事前に自身の心の区切り、考え方の区切りのメリハリをはっきりさせておくことが必要である。残念ながらいまだにそうなっていないことが問題なのだ。
この区切りに必要な基本的要素については、今までにも、それぞれ各論として書いてきているが、ここでは、それらを総括的にまとめてみよう。これらは間違いなく二十一世紀を勝ち抜く超基本的なものである。

@   人間の論理
社会における「富」を得る方法は変わった。 資本の論理の敗退である。 優秀な人間、つまり人間的資質の高い人たちだけが「富」を得ることができるという方程式がすべての事象に適用される。
小手先だけで金物店の経営を変えようとしてもムリである。根本的な変革の息づきを感じないかぎり、何をしてもムダである。
高い次元で本物の金物店とは何かを考えることができる人だけの新しい時代がはじまった。
既得権を優先する人事は、あとからくる優秀な人材の登場を拒むことになり、人権を無視したものになる。
 人権があってはじめてエクセレントカンパニーとなり得る。 いくら経験を積んだバリバリの人間であっても、時代の変化に対応できない者は、もはや現役ではなく、退役でしかないことを強く認識すべきであり、すでに世間からは、抹殺されているのだ。
トップがいくら「こうこうせよ」と言いたてても、しょせんそれは命令でしかなく、従業員はどうしいいのかサッパリわからないのは、この命令が単にハード面のものでしかないことだ
.。 いくら売り上げ目標をたてて、志気を鼓舞しようとしても、そんな経営者はもはや過去の遺物でしかない。
「一緒に変わろう」とする経営者の「心」が従業員に大きな心を開かせ、明確な目標とヤル気を与える。 こう考えることが経営のソフト面ではないのか。 金物店の土壌改革に必要なのは、まさしくこれである。 「人権と自由」なくして次のステップへ進むことはできない。 頭脳的資産こそ富を得る唯一の元手である。


Aハウスソリューションで集中化を図る
 すべての企業は経営方位が決定されていなくてはならない。 そしてそれは時代に適応したもであることは、いまや常識以外の何ものでもない。 経営方位が決定されることで、経営コンセプトが明確になってくる。 経営方位のない企業はいつまでも迷いの連続であり、事業意欲を消失させ、やがて消滅する。
何がなんでも、今、金物店は経営方位を明確に決定すべき重大な時局にある。 まだ間に合う。
経営方位はズバリ「ハウスソリューション」である。 住宅関連に絞り込んで、その需要に間違いなく対応できる、問題解決力(ソリューション)を有した経営体へのシフトこそ、まぎれもなく「ハウスソリューション」であるといえる。

 ここでホームソリューションでなく、あえてハウスソリューションとしたのは、カテゴリーが物理的な構造物の素材や資材、さらに付帯商品やサービスを取り扱うからであり、カーテン・ジュータン、その他のインテリアなど、構造物を飾り立てる分野や、その雰囲気づくりへの商品やサービスは原則として取り扱わないことに起因する。 自らの経営の方向性を明確に取り決めないかぎり、専門業態ハードカテゴリーセンターとして息づくことは、絶対に不可能である。 売り上げを確保する一心で、関連分野以外のものでも、メーカー・問屋のもってくるものを何でも取り入れることは、身を亡ぼすことに等しい。 売れないからといって、今、邪念がはたらいてはいないか。 自問自答してみることだ。
関連分野は資材・道具の販売や配達、関連用具のレンタル、修理加工、リフォーム、コンサルテーションなど、幅は広いが、むしろ守備範囲を狭く専門分野に絞って、これを満たすことが成功への偉大なるパワーとなる。
「これ」はできるが「あれ」はできないと、ひたすら自店の防御だけを考える経営者は、もはや化石でしかない。

 「あれ」も「これ」も不可能であると考える経営者の前に登場するのが、私が強く主張する「コアコンピタンス」の理論である。

Bコアコンピタンスで勝つ
商品やサービスなどに関して、「これ」は自店では経験がないから取り扱わないという考え方では、ハウスソリューションにはならない。 客が求める住宅関連の需要には徹底的に対応できる力量を有してこそ、新時代を勝ち抜くハードカテゴリーセンターの本質である。「そんなことできるわけがない」と及び腰になっていないか。 ここで問題にすべきは、力量とは自分ができるということではない。何でも自分でこなそうとするからムリが生じ、及び腰になる。 つまり、常に一歩引いてしまって、いつまでたってもラチがあかず、自店の価値の優位性を全面に打ち出す体制をつくることができないでいるのだ。
コアコンピタンスの示唆するものは、第三者、つまり外部の優秀なノウハウなどの経営資源を自店の経営に上手に取り込むことである。 取り込むことによって、自店のシステムにすることができる経営者こそ優秀であり、力量があるといえるのだ。
各論として、他の項目で詳述しているので、省略するが、わかりやすくいえば、たとえばリフォームについていえば、他の業者にアウトソーシング(外注)すればよいことである。 自店でリフォームをこなそうとするマイナーな発想ばかりが集積されて、自店の経営分野に組み込めないでいるのだ。 取り込みの発想こそ、ハウスソリューションの実現にとって、最も重要な要素であることをよく理解し、納得しよう。
自らが行わなければ店の信頼にかかわると考えるならば、それは、とんでもない勘違いであり、間違いである。
非常に重要なことなので繰り返すが、外部の力を借りて、それをうまく営業処理できる経営者が、新時代に評価される「実力者」であり、頭のいい真の経営者であるといえる。


C企業家たること
 時代の不連続的な大変化は、製造業、流通業を問わず顕著な様相を誘起し、従来型の企業は何から手をつけ、何をしていいのやら見当がつかない。
時代の大変革期とて、ベンチャービジネスや、全く視点を異にした商品の開発など、赤字スタートの企業が多く出現しはじめた。 また、こいれをバックアップする体制も着実に形成されてきている。
ここへ来て、かつて使い古した「後継者」なる呼称はいまや死語となった。 後継者は企業家に変身しなくては事業経営ができなくなったのだ。

だから親経営者のいうことを聞いていたらもはや事業の存続はない。 親経営者も自らの過去の栄光と経験を自慢げに語るシーンは消え失せた。 つまり親経営者が子経営者への説得は無用のものとなったのだ。
金物店も今、何が何でも変わらねばなたぬ。このためには、業界全体が企業家意識をもって、同じ目標とその達成手法を緊急に持ち合わせねば業界の活性化はあり得ない。こういった意味においては米国では金物業界も、エースハードウエア-、トリューバリューなど共同意識をもった、集団形成によって、確実に日本より40年は進んでいたことになる。
INDEX↑

































16.店の先進的イメージはこうして創られる
現在は価値戦略の時代である。 では、価値マーケティングには、なくてはならないもの、すなわちハードカテゴリーセンターに転換するために、店に必要とされる文化的イメージの統一の問題について、これをよく理解することは、基本的に大変重要なことである.
本来は、このイメージの統一がC Iといわれるものであるのだが、大多数の人たちがC Iを間違えて認識している事実を指摘せざるをえない。では、C I(企業の文化的イメージの統一)の本当の意味は何なのか。 ハードカテゴリーセンターの経営には、ことのほか不可欠な要素となるので、明確にしておかなくてはならない。
さてC Iは、もともと四つの基本的概念から成り立っているものでその中の一つだけをとってC Iと呼ぶことはできない。ところが一般的には、その一つであるV I(ビジュアル・アイデンティティ)だけをとらえてC Iと考えている傾向があるが、これは間違いである。
              
1.ビジュアル・アイデンティティ(V I
V Iは企業の、表層的な表現による「視覚的イメージ」の統一のことであるが、これがすなわちC Iであると誤解している人は数多い。
V Iには企業を新しい視点で表現するシンボルマーク、社名などのロゴタイプや企業をイメージするカラーコントロールなどがこの範ちゅうに入るが、こういう次元だけをとらえてC Iと思いこんでいる人たちである。企業というものは、表面だけをいくらイメージアップしても、経営組織体の中身がこれに連動して革新されなければ意味がない。
たとえば店舗の場合、表面だけをどんなに素晴らしいイメージに作りかえ、塗りかえてみても、中にいる経営者、スタッフの「モノの考え方」「行動」「人間的資質の向上」など、内面的なものが革新されなければ、V Iの効果はゼロということになる。すなわち、企業が文化的イメージを高めるためには、内面的なものの影響力が非常に大きいということを忘れてはならない。

2. マインド・アイデンティティ(M I
文字どおり「マインド」つまり「心の統一」を意味するものであるが、あくまでも企業におけるビジネスコンセプトに対する考え方の基本的統一であって、コンセプトを表現するための方法論的な考え方を統一するものではない。むしろ、質的に異なる方法論は経営上の有益な研究や検討の対象として歓迎すべきものえある。
M Iとは、表現を変えれば経営者やスタッフが、みんな同じ目標を持ち、同じ方向をむいてその頂点を極めようとする心のセントラリゼィション(集中化)であり、「一緒に変わろう」とする土壌改革の一つでもある。

3. ビヘイビア・アイデンティティ(B I
これは企業における「行動(ビヘイビア)の統一」のことで、戦略を実行し推進していく上で、全員が統一的概念にもとずいて行動することである。 
時代に適合する新しいイメージづくり、価値づくりへの土壌改革的、風土改革的な行動や、一人ひとりが日常の仕事を通じて統一された企業イメージを表現できる人間的資質の高い行動をとることである。この一貫した行動が生活者に与えるインパクトは実に強力なものになる。


4.   パーソナル・アイデンティティ(P I
P Iは「個人の統一」という概念で表現されるもので、企業は一人ひとりの「個人」から構成されるが、その基本となるべき構成要素が、バラバラでは困るという統一性を意味する。
ここでは個人という概念を明確にすることが最も大切なことであり、明確化された「個人」に向かって、徹底した自己啓発によって企業全体のイメージを、統一的に均衡化された「個人の素晴らしさ」の上に構築し表現しようとする考え方である。ここで誤解されると困るのは、「個人の統一」とは、けっして個人個人の持っている個性を拘束または否定するものではない。あくまでも個人の人間的資質を均衡的に高めることであって、「個人的」とか「個性的」とはまったく別の視点にたったものである。

それどころか個性を表現することは、これからの社会では、非常に大切であることはいうまでもない。
生活者に個性化、多様化がみられる今日では、経営者やスタッフにも、当然、個性化があっていい。その個性化は、生活者が店を選択する上での大きな、キメ手になってきているのだ。
今は自分なりの美しさを、自分なりに表現できる能力をもつこと自体が「素晴らしい」「うらやましい」「進んでいる」といったふうに、いろいろな表現の仕方で、高く評価される時代である。現代を生きる生活者に向けて企業が多様化した集合体として「まばゆい」ばかりの存在感を表現することがPIの重要な部分であると解釈できよう。PIはCIの中で最も基本的な部分であると考えられるというのは「個人、個人」における人間的資質レベルの均衡的があってこそ、はじめて全体としての企業のの文化的イメージを高めるためのVI、MI、BIが有効に作動することになるからだ。
INDEX↑






































  
15.新築住宅に見る新しい動向を取り込む
 住宅性能表示が弱小工務店を救う
日本では在来工法をはじめとして、プレハブ住宅、ツーバイフォー、スチールハウスなど、他に類を見ない多用な工法の住宅が建ち並び、消費者が選択する際に、その根幹となる基本性能の尺度が必要になってきた。 そして平成12年10月より、いよいよ「住宅性能表示制度」がスタートした。 この制度は任意制度であり、利用するかどうかは住宅供給者、取得者の選択によるとされている。
これは、住んでからの満足を事前に伝えること、すなわち、住宅性能の情報開示によって顧客満足度を向上させ、提供する住宅に対する全面的な信頼を得ることが、その目的である。
気密性の測定、床衝撃音の測定、揮発性有機化合物(VOC)であるホルムアルデヒドやトルエン、キシレンの濃度測定など多くの測定項目にわったて、数値表示されるのである。
最近では大手のハウスメーカーがこれらの項目をかざしたマーケティング戦略を打ち出していて、大工棟梁型工務店や中小工務店などが苦しい立場におかれているが、しょせん大手ハウスメーカーであっても、現場での施工は契約した各種工務店に依頼しているのが実態であり、施工技術上の問題としては、弱小工務店といえども互角の立場にある。
しっかりとした仕事さえすれば、たとえ弱小であっても、住宅性能には充分対応できる能力をもっている。
今回の住宅性能表示制度は弱小工務店のとっては非常に有利に作用するものであり、これにやって、大手と台頭に渡り合えることができるようになった。

金物店の重要な客である工務店は、自信を持って住宅づくりに集中できる有利な土壌がつくられたと考えるべきだ。測定士に依頼すれば測定結果を作成してくれる。例えば、気密性を高めるため、隙間を作らないよう加工、充填に気をつけ、住宅全体の隙間面積(平方センチ)を総床面積(平方メートル)で除した値が3.0以下であればよく、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレンなどのVOCについても、それぞれ0.08ppm、0.07ppm、0.20ppm以下になるように、クロス、建具、床、天井などの材料をJIS規格ではE0,JAS規格ではFc0と明記されたものを使用すれば問題はない。 やる気になって「いい家づくりをするのだ」という職人の徹底した気がいが、大手に対抗できるという環境が備わったのである。こういう情報をよく熟知し、視野を広くもつことにより、ハードカテゴリーセンターとしての有利性を次々に積み上げていけるのが、情報社会であると結論づけたい。
「為せばなる、為さねばならない何事も」の精神が経営者に求められるゆえんである。


2.スチールハウスの時代が到来
木質ツーバイフォー住宅は今では施主の大きな選択肢の一つとして、メジャーな工法として認知されている。
これとまったく同じ考え方で、木質系に見るツーバイフォー(2x4)、ツーバイエイト(2x8)などの部材をそっくりスチールの形鋼枠材(1
mm厚の軽量形鋼)に置き換えて使用するものである。 といって、スチールのかたまりのような住宅のことではない。壁材は合板や石膏ボードを使い、目に見える部分はすべて木質系で加工・施工されているので、落ち着いた空間が得られ、断熱処理も徹底されているので、住み心地は快適そのものである。この工法が注目を集め始めているのは、いうまでもなく地球環境への配慮である。 日本ではまだこれからスタートする工法であるといってもいいが、木造ツーバイフォーによる住宅が多い米国でも、近年この種のスチールハウスが急速に増加してきている。
私の推定では、2003年には年間20万戸の実績にまでのし上がってきている。日本での新築住宅の比率におきかえてみれば、何と17%ほどの実績をもつことになる。 この新しい分野に注目しない手はない。現在、日本では木材の消費量は1億2000立方メートルといわれているが、躯体枠材をスチールに置き換えることによって、地球のかけがえのない緑を守ることができ、環境保全に協力することができる。
スチール枠材は、薄い1
mm厚の鋼板をC型チャンネルに加工したものを使うので、切断には丸鋸を使い、部材の接続には4mmのテックスで簡単に固定でき、しかも構造力学的にも安定した枠組みができるのが特徴である。
私は、金物店は今後、自店で住宅の注文を受ける時代、つまり住宅を売る時代になってきていることを述べているが、「信頼のある金物店」という、永い間にきずきあげられたロイヤリティーを利用すれば、店で住宅を売るという発想は充分に現実のものたり得るということだ。 こういう新しい視点に立てる経営者がハードカテゴリーセンターを経営するのである。
業務としては、販売店という立場を固持し、重要な顧客である特別な工務店に発注することである。 特別といったのはスチールハウスの工法をマスターした工務店でなくてはならないからだ。


3.輸入住宅を考える
輸入住宅は今ではすっかり市民権を得て定着し、消費者の購買対象としての地位を確固たるものにしている。一般的に輸入住宅を一つの事業とするには、まず、どういう客に照準を合わせるのか、それをどう商品化するのか、どういう売方をするのか、施工をどうするのか、資材の一時保管の場所をどうするのか、外国からの物流をどうするのか、などいろいろな問題がある。
しかし、ハードカテゴリーセンターの業務の一部として、これを取り入れるためには、住宅のタイプを絞り込み、客の依頼の応じてカンバン方式で輸入することが安全であり、大切な考え方である。
非常に難しいことへの挑戦のように考える人も多いと思うが、そこが問題なのである。 やる前からマイナーな気持ちになることは禁物であり、いつまでたっても成功はない。
たとえば、米国で一棟ごとに仕入れを行い、輸入することによって、所定の作業で組み立てをすればよい。
最初は米国から手慣れた職人を連れてきて指導をうけるのがよい。 来日のための航空費用も西海岸からであれば、往復で4万円程度のチケットを購入することは、今や容易なことであり、宿泊も一ヶ月滞在ということで、格安の契約も可能であるので、思ったほどの経費はかからない。 ただし、部品・部材には一部規格上の問題もあるので注意が必要である。
一棟分の資材・設備は40フィートのコンテナ2台で積み込むことができる。 カリフォルニヤ州のロングビーチ港から東京の芝浦港まで、非同盟の会社のコンテナを使えば、コンテナ一台当たり18万円くらいですむことも、是非知っておくべきだろうし、輸入に必要なその他のコスト(保険料、関税、消費税、通関、乙仲費用など)もせいぜい商品原価の5%どまりである。 また、建築材料、設備なども日本の三分の一くらいの価格で入手できるものがそのほとんどである。
輸入を最も簡単にするためには、国内外の手続き一切を業者に委託することである。 日本通運などであれば、輸出国での手続きや、日本に着いてからの、手続きを代行してくれる。
この分野に真剣に取り組むことも、成功への道の一つであり、幅広い識見と実行力のあるものだけが成功する所以である。

ハードカテゴリーセンターはこのような力量を持ち合わせた業態であるということを片時も忘れてはならない。
INDEX↑
   






































14.売場形態の新しい考え方と規模
売場というものは、客に来店を促すパフォーマンス(専門店としての実力の表現)の有無が非常に重要な要素であることはいうまでもない。 見るからに店が小さかったり、品揃えが専門的でなかったり、陳列や表現の仕方が時代おくれであったりしたのでは、けっして客の目にとまることはない。 時代はこういう店をまったく相手にしなくなったといったほうが、より適切かもしれない。
新しい時代では、ある程度(後述)の店舗面積を持ち、新しい捉え方(後述)での売場面積お中で、その効率を最大化させる努力が表現されていないかぎり、高度化した客に振り向かれることはなくなったといえる。 効率を最大化させる努力とは、表現を変えれば経営者の状況認識における理解と納得のうえでのヤル気そのものであり、まず、直感的に客と店のバランスのとれていない店では、客の出入りはなくなってしまう。 また適正な店舗規模であっても、中身を整えないで、外面だけをいくらカッコよくつくろってみても、高度化した客とのバランスはとれないと考えるべきである。 

中身を表現できる経営者像、いわゆる人間的資質については、これまでにも多くをのべてきているのでここではかつあいするが、一見して中身のある店では、コーナーセグメント(割り当て分配)、陳列台レイアウト、客動線、通路幅、中央管理部門(レジ、応対など)の位置などが、論理的に充分に吟味検討されていて、かつPOSレジの導入による分析型経営の効果が、常にベストな商品構成lに反映されている。 このベストな商品構成が客に語りかける時、店としての存在理由が明確になって、客の評価と信頼を現実のものにすることができるのだ。

そのためには、基本となる店舗規模や、物理的な売場セグメントに迷いがあってはならない。 迷いがきえて確信になったとき、店舗は生命を宿し、息づいて、目標に向かって大きく動き始めるものである。 ここでは、「確信」を「実現」に転換させるための基本的要素について述べてみよう。


1.売場規模
ズバリ結論からいえば、l00坪前後が理想的ではある。 しかし、現実には商業統計に見られるように、金物店の規模は20〜30坪がらみであって、かならずしも有利な条件にあるとはいえない。 特にハードカテゴリーセンターという、金物店が転換すべき業態の確立にあたっては、さらに面積を拡大する必要がある。 しかし現実的には非常に難しい問題であるので、従来の考え方である店舗と倉庫お認識的な区分をなくして考えることが前提となってくる。 つまり、店舗と倉庫(隣接のもの)を合算した総面積を売場として考え直すことにやって、必要面積を確保しようということになる。
昨今の物流の合理化や消費者ニーズの高度化と多様化は、倉庫を縮小し、その分だけ店舗を大きくする傾向にあるのは周知のとおりであるが、それをつき詰めていくと究極的に出てくる結論が、この店舗と倉庫を合体させたものが売場という考え方である。 そして、この合算された面積が40〜50坪というのが、最低限必要であると考えられる。 20〜30坪がらみにしか拡張できない店は今後、非常にむずかしくなってくる。 しかし30坪までなんとか拡張できれば、LSI収納方式(高密度集積収納;丸田達夫著「絶対勝てるハード型店の展開作戦」に詳述)を多用することにより、なんとか生き残ることはできよう。 そのためには、一層のコンサルティングサービスと情報サービス、顧客満足のユニークな経営を編み出さなくてはならない。 結論的には、売場面積を可能なかぎり最大にする方法を考えることが、絶対に必要である。 
まず第一段階的な考え方としては、どこかにスペースの無駄な使い方はないかを徹底的に点検し、そのスペースを売場にするために構造的に可能かどうかをしらべることである。すなわち、@住居部分を後方、もしくは二階に移動できないか 
A店舗と倉庫の連結ができるか 
B事務所、応接室、更衣室、トイレ、階段などは他の場所に移せないか 
C店内の柱を構造力学的に一本でも二本でも取り去ることはできないか 
D離れた別の土地に倉庫がある場合、それを店にすることは出来ないか(立地的に考える)
など、いずれも売場面積を最大にするための着目点である。

そのほか、資金的な問題があるが、第二段階的な考え方としては
@隣接する建物や土地を借りる(または買う)
A現店舗を閉めて、別の場所に大きい店を借りる(または買う) 
B現在地の土地が広ければ、店を壊して、新しい店舗をつくる
などの選択肢がある。


ここでAの場合は業態的に、今や時流に適合しない中途半端な大きさの店として放置されたままになっている物件(昔のホームセンターなど)であり、時節柄極めて安く借りることができる。 またBの場合はコストをできるだけ低く抑えるため、住居は併設しないで、マンションなどを借りる方が得策である。

2.店舗と倉庫の一体化
時代が変わって、かつてのように店舗と倉庫を本質的に別個のものとして考えることは、とくに金物店にとって、今や経営的に得策とはいえなくなってきた。
私は過去にも、店舗と倉庫の一体化を論じてきたが、それは今回とは全く違った視点で論じているものである。
時代によって、企業基盤は大きく変化した。 必然的にこの一体化の問題についても、さらに進んだ考え方で適合性を持つものに変化させなくてはならない。 すなわち、倉庫は従来どおり収納している大型および超長尺商品は別として、その他のものは実際的には余分な商品(買い込みすぎたもの、売れ残ったもの)の収納場になっている。 そして在庫商品の80%がデッドストックともいうべき回転率でしかないことに大いに注目しなくてはならない。

物流の進歩はこのような事象を、根本から考え直すことを要求している。

今日のようなデフレ時代の成熟社会では、モノを多く持つことのメリットはない。 「持っているからこそ売れる」といいたがる経営者もいるが、それは大きな間違いである。 その売れたという数量や頻度が在庫全体の一体どれほどの比率であろうか。 同じ持っているのなら売り場で持っていればいい。 売れ筋補充商品であっても、倉庫での在庫は不要である。 そのかわり、回転率がいいのだから、陳列またはLSI収納のスペースを広くとってもかまわない。 もてる商品を全て品目ごとに一カ所に集中させるからこそ、売り場に迫力を与え、さらに一元的になって合理的な商品管理(POS管理)ができるというものだ。
その結果、当然適正陳列量が明確になり、不要な商品の排除にもなってくる。 倉庫に眠らせている商品の排除は非常に難しいものだ。 つまり、倉庫で同じ商品を持つのならば、売り場に整然と並べて持つ方が、機会損失のないように適正在庫数割り出せる分だけ、回転率は高くなる。
倉庫と店舗を本質的に別個のモノとして考えることことこそ、逆に一体どういうメリットがあるのかを考え直すほうが、よりわかり易いかもしれない。

INDEX↑











































 


13.リフォームマーケットへの積極的参入
建設現場向けに販売する商品は、特に新築住宅の場合など、短絡的に坪単価換算にもとずく見積り競争のあおりを受けて、利益率が極度に低くなることが多い。 しかし、リフォーム関連の施工受注では、たとえ競争があっても、新築の場合に比べて、はるかに高い利益率を得ることができる。
 リフォームの施工受注は、ハードカテゴリーセンターにとっては、資材などの販売も伴うだけに、今後、重要な経営戦略として位置付けられる。
 現実に、この市場規模は七兆円とも十兆円ともいわれ、生活者のライフスタイルの変化や、こだわりから派生する成長産業と目されているだけに競争激化は避けられない。
しかし、ここで重要なことは、単なる安売り合戦という低俗なレベルのものではなく、質的に高度な価値競争戦略の優劣で市場支配は決められよう。
新築現場への、部品的、部材的な商品お供給と違って、最終的には本質的な施工内容の評価が伴うビジネスと考えるべきであり、依頼側と施工側との相互の信頼を機軸にした要素が大きなウエイトをしめる。
たとえ、手が込んでも、現場の一つ一つを完璧にこなしていくことが、結果的には施工側の経営力を高めることになって、地域密着型のロイヤリティーを得ることができる。
安価に請け負って、いい加減な仕事でお茶をにごせば、地域商圏を主としたビジネス展開であるだけに、二度と立ち上がることはできない。 表現を変えれば、リフォームビジネスは、こつこつと時間をかけて、一定の地域で所定の収穫を目指す農耕民族の考え方そのものであり、転々と地域を移動しながら一発勝負にかける狩猟民族との違いによく似ている。
高度人間社会の基盤をなす生活者の総合的な判断力は、ことのほか高くなってきているので、かつて通用した「工事一式」という、「お任せ式」の見積りと、施工は一切通用しない。
どんな細かな工事でも、明細をはっきり記して、各々の項目や行程の意義を、根気よく客に納得させることである。
リフォームとしての塗装も、昨今は競争が激化しているが、価格だけを重視すれば、依頼側がその内容を見抜かない限り、不完全な工事にされてしまうことが多い。 リフォームに対する生活者の概念と意識は、今後、徐々に細分化され、深耕化され、鋭敏化されてくるだけに、その取り組み方は施工側にも依頼側にも共通して、知的レベル、感性レベルの高いものになってくることは間違いない。
リフォームは、その結果を双方が互いに満足し合い、その後も信頼感の持続するものでなくてはならない。
それは、客をリピーターにさせるばかりか、第三者に対して最も有効な情報の発信基地となり、宣伝媒体としての役割を果たすことになる。
頭脳的、戦略的に、施工後常に作用し続ける媒体を創り上げることこそ、マーケットを完全い掌握するための秘訣である。 目先の利益にのみ走ると、取り返しのつかない結果をもたらすのが、リフォームの潜在的な特性であるといえる。
リフォームの受注の仕方は、これまでの営業経緯、施工能力の有無、経営者の判断などによって、次の三つにわけて考えられる。 すなわち、総委託型、自能型、受注管理型である。
(1)総委託型  
自店をクリヤリング(問題解決)・センターとして位置付け、総合的に専門化された相談窓口(コンサルティング)という立場でリフォームの本質を徹底的に理解させ、納得させることによってリフォームの依頼を受ける.
コンサルティングには腰を落ち着けて、充分に時間をとることである。
この依頼を、そのまま提携業者に振り向ける方法であるが、そのことを、あらかじめ依頼者に対して明確にし、納得させることが前提条件となる。軽率に、自店で請け負って業者に丸投げすることは、客の信頼を失うばかりか、建設業法第二十二条にも抵触することになるので注意しなくてはならない。
総委託型ではコンサルティング料として、提携業者から総額に対するパーセンテッジで所定の利益を得ることが出来る。
この場合、自店を通じて資材などの供給も可能になるので、コンサルティングと物販の相乗効果で、この方法を評価すべきである。 また同時に併行して複数の現場を持つことができるのも、この方法のメリットである。この方法は、得意とする中核事業以外は第三者の経営資源を利用する方が効率的であるとする考え方、すなわちコア・コンピタンスの経営理論からしても理にかなった「コトの考え方」の一つである。
すなわち、自店ではクリヤリング機能としての役割を果たすことに意義があり、何でもかんでも自店で行うという自己万能的な考え方は、高度人間社会では受け入れられず、経営効率を著しく低下させることになる。
コア・コンピタンスの概念に重ね合わせて考えれば、自店は絶対的な信頼によるリフォームの相談相手であるという明確な立場にとどめ、運命共同体として共通の経営理念を持った提携業者の確保によって、利益構造を内蔵した経営体を創り上げるということになる。


(2)自能型
自店が施工能力を持っていて、客から直接にリフォームを請け負う場合をいう。
リフォームマーケットの有望さが注目されているだけに、自力でのマーケット進出を経営戦略の大きな柱として位置付けようとする傾向がある。
しかしながら、自店で請け負って採算がとれるかどうか、あらかじめ年間予測として綿密な試算が必要である。リフォームも、新築を本業とする工務店と同じように、常に現場を持っているか、または年間収支のとれる現場数が確保されないかぎり、スタッフが遊休化して固定費が経営を圧迫することになる。
現場がない時は、他の仕事を手伝わせるとしても、その仕事レベルは決して本来の戦力にはなっていないはずである。
自店では、どの仕事をこなそうとも、それは常に最大限の効果を生む人材配置になっていることが要求されるからだ。
ハードカテゴリーセンターが新規に自能型リフォームに取り組むのはリスキーであるといえよう。


(3)受注管理型
自店で請け負うが、工事内容を仕分けて、さらにその分野ごとを専門職人に請け負わせ、自らは総合的に現場を管理する方法である
自らは直接に施工を行うことはないので、時間的な拘束は比較的少なくてすむので、複数の現場を同時に進行させることができる。
自店が見積り、施工、アフターフォローなど一切の責任がともなうので、信頼できて腕のいい職人を上手に使いこなす裁量と施工管理能力が絶対条件となる。
施工管理能力を持つ者には絶対に有利な方法であり、25%〜30%の利益を得ることもできる。
総括としては、自能型で現在すでに実績を持っている場合は別として、総委託型か受注管理型が効果的で、コア・コンピタンスといわれる新しいシステムのあり方、考え方に合致する方法であるといえる。
それぞれを専門家に託しながらも、ハードカテゴリー全般いわたるクリヤリング機能という視点で勝負することが大切である。
受注管理型は管理能力があれば非常に有効であり、現場仕事の中身を実体験として理解できるので、これが客に対して説得力のある幅広いコンサルティングの基本となり、自店の立場を有利にすることは間違いない。
INDEX↑



































    
12.卸売リテールサポートとは一体何か
@(新業態と取り組める卸売業

どの卸売業でも、リテールサポート(ここでは小売業支援)としての何らかのノウハウを持たないかぎり、同じ範疇の同じ商品だけで勝負しようとすれば、打つ手は価格競争しかなく、将来はない。

低価格戦略は必要条件ではあっても、小売業にとっては絶対条件ではない。

これからの卸売業の使命は、物流以外に小売業がかかえる様々な局面に対するクリヤリング(問題解決)機能の提供である。そして個々のクリヤリング機能、リテールサポートという概念を形成すると考えなくてはならない。

表現を変えれば、取引先の、商品から経営にいたるまで、幅広いアップツーデートなニーズに的確に応えることが、クリヤリング機能ということになる。


昨今のサービスソフト化時代では、卸売業がどれだけのクリヤリング機能としての能力を備えているかどうかで勝負は決まる。

小規模であってもクリヤリング機能をもち、それを効果的に使いこなせる卸売業は、小売業にとって、かけがえのない存在kなのだ。

その代償として、特に専門卸売業は、集約的な頭脳を持ったスタッフの確保と、提起された問題に俊敏に対処する能力が必要だ。 レパートリーが狭い分だけ、優れていて当然のことだ。

そういった意味でも、経営資源としての人材が第一である。ベストメンバーが構成できないなら、リストラもやむをえない。
ということは、平均的に優れていて、それぞれが能力的にバランスがとれていなければならないということだ。能力に大きな差があると、メンバー全体の動きにブレーキがかかってしまう。

経営者にもとめられるのは、ブレーキがかからないよう、能力のない者をメンバーからはずすことである。 厳しい言いjかたになるが、一人よりもチーム全体、チーム全体よりも時代に有効な企業体づくりのためである。 思い切りが必要である。 情におぼれれば一緒に流される。 この厳しさが経営体質の基盤となる。

そして、さらには外部(メーカー、小売業、マスコミなど)に対して卸売業としての新しいビジョンを明確に示すことも、今後主導権をとるための重要な経営戦j略であることを見逃してはならない。


Aハードカテゴリーセンターへの物流はこうなる 
流通業を全般的にみれば、新しい物流システムの登場が、卸売業の構図を大きく変え、従来型の中小規模に属するものの多くが、今、消滅の危機を迎えている。

大手小売業や卸売業では、自らクロスドッキングセンターを設けて、経営のさらんある合理化を図っている。


クロスドッキングセンターとは、入荷した商品を店別に仕分けして、これを配送するだけの業務を担当するもので、従来の配送センターや物流センターのように在庫を持たないのが特徴である。

この方法は、商品知識を持つ卸売業や小売業でなくても、物流作業のすべてがコンピュータシステムと連動しているので、運送業者をはじめ、第三者的な企業がこの経営にエントリーできるようになった。 これをサードパーティーロジスティクス(第三の物流担当企業)といい、専門書や新聞ではこれを3Pと表現している。

しかし、これらの流通システムはあくまでも大手小売業向けのもので、チェーン店、特に日用品、食品などに絞り込まれている経緯がよく理解できよう。
つまり、一店当たりの配送料が多く、使用頻度、消耗頻度の高い商品にたいしては大きな効果が期待できるからだ。

ハードカテゴリーにおいては、商品の属性上、このような物流方式は極めて不可能に近いと考えねばなるまい。
ハードカテゴリー商品の物流は、従来のような総合卸売業、専門卸売業経由という形態を維持し、ローカルチェーンや支店経営、単独経営の店に照準を合わせた万全の体制をとることが要求される。
ここでいう万全の体制とは、勿論のこと従来の経営手法でよいということではなく、電子ネットを駆使した高度な経営システム体を創り上げることである。
しかしながら、スステム化の段階で多くの卸売業が間違いなく脱落するだろう。

B
取り組みとリテールサポート

ではシステム化すればそれでよいかという単純なものでもない。
システム化された経営を実現させても、結果的にそれが横並びになってしまったのでは、なんの意味もなく、勝つための経営にはならない。
近々、従来いない巨大システムが出現することは必至である。つまりメーカ、問屋、小売店が一体化した新編成の出現であり、それぞれが別々の企業ということではなく、一体化した経営体の中でそれぞれがメーカー部位、問屋部位、小売店部位としての重要な役割を分担しあうもので、生産から在庫管理なで一元化された巨大グループの出現である。 そのためにも、今、準備段階としての、最低限整備しておくべきであるという視点でこの論文は書かれている。
さて、話はもとにもどるが、いずれにせよ、経営手法のシステム化が、今なすべき最低条件ということであって、二十一世紀に通用する本物の差別化は、リテールサポートを形成するクリヤリング機能を、どれほど多く備え持つことができるかに集約される。
リテールサポートの提供は、もはや取引という駆け引きのある商流ではなく、小売業との共通認識に基づいた、相互の信頼とグループ意識、情報開示のうえに築き上げられた、深い取り組みへの真剣な姿勢そのものである。
この大変革期にあって、ハードカテゴリーセンターへの質的大革命を、あえて断行する優秀な小売業から、片時も目を離してはならない。
ではリテールサポートとは一体どういうものなのかを具体的にまとめてみよう。


(1)マーケット情報および商品動向分析の提供
(2)マーチャンダイジングの提案 
   A.棚割
   B.催事

   C.販売商品の見せ方
(3)店舗活性化の提案
   A.商品構成の一部、または全面的な見直し

   B.客動線分析にもとずくコーナーレイアウト
   C.リポジショニング(新機軸による店舗対応
(4)経営の支援
   A.経営情報の提供
   B.売り上げ不振、経営不振への対策

(5)電子ネット化への提案
   A.POS導入jと経営管理システム
   B.経営データ分析
   C.情報ネットづくり
(6)出店および移転の提案
   A.市場調査(立地をふくむ)
   B.採算分岐
(7)研修などの提案
   A.セミナーおよびスクーリング
      (商品技術習得)開催

   B.先進店の視察
   C海外流通業の視察  
 
など、卸売業だけでなく、製造業についても、このリテールサポートは、大変重要であり、価値優位性への絶対的な競争戦略であることは間違いない。
INDEX↑






































11.何故、変わろうとしないのか!
A.人為的な対抗の遅れ 
 いまだに、特に目立った業界改革のうねりは出てきていない。「改革」は、私がこの業界に入った時から声高に提唱し続けている大テーマである。 しかし現実には、この改革の進行状況は、今もなお足踏み状態にある。 
私の力量にも問題はあろうが、今やっと、結論的に私の業界体験として断言できることは、この業界には思いのほか、アンシャンレジーム(旧体制)とフューダリズム(封建制)が強力にに作用しあって、これらが改革を阻止する大きな原因になっていることが、明確になったということだ。 
 小泉首相の改革路線は、窮地に立ちながらも、いま歴史的ともいえる、国民の絶大な支持を得ていることは、世論調査からも明らかである。  見方を変えれば、前向きに「変わろう」とする意気込みを国民自らが意思表示している「証し」であると私は思う。 
これは、他力本願で「国が何かをしてくれる」という受け身の考えから、応分の分担責任において「我々でなんとかしよう」とする能動的なアクションへの転換であると考えてよい。 
この未曾有の大転換期にあって、「・・・・だから」とか「・・・・してくれないから」など、マイナーな屁理屈ばかりで、景気さえよくなれば、再び商売が繁盛するという考え方が業界に根強く介在していることは、脳天気な経営者がいかに多いかということにつきる。 勿論、ここで大切なことは、頭ではチャレンジしようとする人が大勢であろうと思うが、体でチャレンジできる人が圧倒的に少ないということが重大な問題なのである。
 なぜ、体でチャレンジしようとしないのか。理由は簡単である。ずばり改革には痛みをともなうということへの不安である。

B.アメリカ国民は社会をよくするために、国民自らが痛みを甘受する道を選んだ。

1993年の1月の末頃、私はアメリカにいた。流通業の視察と研究のため、46名の金物店経営者たちと一緒だった。折しも、ビル・クリントンが大統領に就任して、初めての大統領教書が発表された時であった。アメリカの新聞は各紙が教書のキーワードを特大文字で飾った。それは「レスポンシビリティー(責任)」と「サクリファイス(犠牲)」の二文字であり、私の目にあまりにも強く焼きついたものだ。 
いうまでもなく、アメリカをよくするためには国民自身が一時的に「責任」と「犠牲」をはらわねば、決して改革はできないということである。ここでいう犠牲とは、特にミドル層の大幅な増税であり、責任とは孫の時代に、よきアメリカを残さなければという、いずれも痛みをともなった強い主張であったことを鮮明に記憶している。 
小泉首相とよく似た前大統領のクリントンの国民的人気の上昇は、当時の流通業に火をつけ、個人消費にも大きな弾みをつけたものだ。その一例でもあるが、アメリカ人も意外に「ミーハー族」であり、ヒラリー・クリントン夫人が愛用していいるファッション「セントジョーンズ」の店が全米ショッピングモールのキーテナントとして雨後の竹の子のように出店したものだ。 
今、私たちは改革の時代のまっただ中いあって、伝統ある金物店として、自らが改革を合い言葉に力強く流通業としての手本を示さねばならない。
どうすればよいのか。決して抽象論ではなく、私は「ハードカテゴリーセンター」としての具体的な、あるべき新業態の姿を明確にするために、数多くの論文を書いている。
まだまだ、ほんのひとつまみの経営者がこの主旨に沿った経営体に転換する動きがでてきているにすぎない。しかし、ここで大切なのは、この流れが大きくなって金物業界にとって、まさに改革という大きな「うねり」になって顕在化することである。「カナモノルネッサンス」と私はいっているが、製・卸・販が一体となってこそ、この実現はある。
そのためには、三者共通の目標が明示されていなければならない。売り上げが伸びないことを、三者がそれぞれ責任のなすり合いをして中傷するなど、もってのほかだ。こういう考え方があるとすれば、今後の金物業界に「新しいうねり」を創る流れを阻止することになる。
C.土壌改革・風土改革が題意が第一の課題
 
特にこの業界に苦言を提するとすれば、従来型の業種全体に共通することではあるが、旧体制と封建制が依然として強いことだ。 
会合などの参加者の年齢も非常に高齢化している。もっともっと若い経営者が参加できる環境が整備されていないことが問題なのだ。私のセミナーでも、メーカー主催、問屋主催など、いろいろなケースがあるが、横文字、カタカナは極力使わないで講義してほしいという要請がよくあるが、このこと自体にわたしは、とても驚いている。とんでもないことだ。 
何も私が好んで横文字、カタカナを使っているというのであろうか。今後、経営者にとって、この上なく必要不可欠な用語であるからこそ、あえて私が使うのである。しかも私は必ずその用語を分かり易い言葉で解説をつけていることを見落とさないでほしい。 
こんなことでは、新聞も雑誌も論文も読めなくなってしまう。新しい外来用語(今後グローバルな標準語となる)も理解しようとしないで一体どうするつもりなのか。 
今、こういう不景気な時期、改革を迫られる時期だからこそ勉強が必要なのだという意識をしっかり持った企業だけが得意先を集めて熱心に、盛大に勉強会を行っている。マツ六(株)では継続的に、私が講師をつとめる勉強会を開催し、顧客である金物店に明確なビジョンを示し、横文字、カタカナのグローバルな用語の取り込みを徹底する方向でおこなわれているが、これこそ時代にマッチした賢明な考え方であって、若い経営者の将来を考慮しての取り組み方である。その啓蒙と相互の信頼の確立のためのユニークでオリジナリティーのある呼びかけに金物店の大勢の若い経営者たちが呼応して、熱気ある議論が飛び交っている現実は、まさに金物店の次なる地歩を確実なものにしようとする先進的な流れの貴重な台頭であり、その鼓動が次第に大きくなってきていることに、土壌改革の進行が感じ取れるのだ。 
繰り返すが、とにもかくにも、「勉強」することに積極的でなくてはならない。もだめだとあきらめてはならない。金物店の大半が重傷であるが、集中治療室に入って、絶対安静で、もはや点滴を受けるだけ、という状況にはない。むしろ、「迷い」と「やる気の消失」が重病患者を装っているだけだ。さあ、元気をだそう!

D.「変わろう」とする精神状況をつくる。

「変わろう」とすると資金がかかると尻込みする人が多いが、かつてのリニューアルという考え方で建物や陳列台を一新するということとは全く意味を異にする。 
とりわけ「精神的な方向づけと実行」、「流れに常に合致していること」が大切であって、これだけで売り上げは倍増するものだ。その全ぼうを明かしているのが、私の提唱する「ハードカテゴリーセンター」である。
まず実行に当たって必要なことは、「いつまでに、どこまで、何をするか」を明確にし、それを粘り強く順次に、しかも着実に進めていくことだ。
「変わろう」と「変えよう」とは全く異なった経営姿勢である。「変わろう」ということは最終的には仕事の仕組みを変えることであり、達成できたその結果に対しての満足感を今から味わおうとする姿勢である。 
こうした風土改革をやってのけてはじめて、商品開発の必要さの解決や、その他経営上の諸々のコストの問題は解決されるものである。 
親経営者が頭をタテに振らない場合が多いことも私はよく知っている。次は誰の時代なのか、親の時代ではもはやない。外圧に屈した者は、ただ消滅するしかないことをキモに銘じることである。
きびしい言い方にはなるが、従来のように金物店の全てが、仲良く幸せを享受できる時代は終わっているのだ。生き残る者は半数以下であることを強く認識して、是非とも成功組になるために大目標をかかげてほしいものだ。
INDEX↑


































10.サービスの新機軸は何か
 金物店固有の古いパラダイム(枠組み)から跳びだした全く新しい業態としての、生業ではない、企業的・システマチックな経営体こそ私の言うハードカテゴリーセンターである。21世紀なる時代では、ここまで根こそぎ考え方を変えないかぎり、従来のような寡占化風業種としてでは、決して生き残ることはできない。
今後、金物店はどう生きていくのか。
 このためにはメーカー・問屋。小売店が一体となって、ソリューション(問題解決)を導き出さねばならない。

私が今、ハードカテゴリーセンター構想を組み上げ、今後とも戦略的に優位性を保持しつずける新しい経営体づくりに全力を傾注しているのもそのためである。そのためには、経営を構成する一つひとつの要素を大きく変えることことであり、従来の経営理論はキッパリと捨ててしまうことである。
今回はハードカテゴリーセンターでの重要な要素である、サービスについて、一体サービスは今後どう変わらなくてはならないのか、つまり、新しいサービス論は何かということを、二十一世紀の初期における経営の新機軸として位置づけようとするものである。
さて、ここでいう新サービス論は、これまで定説とされてきたサービス論の構成要素に加え、さらに別の次元で緊急に補完すべき重要な要素があることを大前提とした、新しい考え方を論じるものである。
 従来の定説では、一般的い購買心理過程をいくつかのフェイズ(場面)に分けて、アプローチの仕方、対応の仕方など8段階と、アフターとしては、クレーム処理、顧客管理などをふくめて、より適切、より効果的な接客サービス、接客販売をすることであった。
勿論、この原則は必要条件であり、今も変わってはいないが、サービスを提供する側の人間的資質との関連と考察を「新・サービス論」の中で、最も重要なテーマとして考えなければならなくなってきたところに、時代の大変化をシビアに読みとらねばならない。
私のいう、「新サービス論」は、そこから生まれてきたものである。  

 サービスを、教科書やマニュアルどおり、いくら忠実に実行したとしても、それはしょせん「うわべ」だけのものであり、あくまでもハード面としての戦術にすぎない。
 いま必要なのはソフト面でのサービスであって、客の心を「理解」と「納得」でとらえることはできない。  それどころか、従来の教科書やマニュアルトレーニングは、フェイズ次第では、まったく機転の効かない「死に体的サービス」となって、客に不満や不快を与えてしまうことになる。
これは、サービスの本質から、かけはなれたものであることを、まず理解しておこう。 
しかし、専門店となると、ワケが違う。
マニュアルに頼れば頼るほど、専門店は色褪せたものになる

高度な人間社会に対応するためには、なんとしてでも人間的資質の高い人材を得ることだ。 
そして本物からにじみ出るものが、本当のサービスを形成するのである。
高レベル化した生活者は、サービスが「本物」か「ニセ物」かを見分ける鋭い眼力をもっている。 いくらうわべだけのサービスを取りつくろってみても、高い人間的資質の反映されないサービスは、これからは全く通用しない。米国小売業のノードストロームは、高いサービスレベルの企業として、あまりにも有名であるが、私が訪れたシアトルにある本店のサービスマネージャーのクリス・ボンドール女史によれば「いい店員は、いい人」であり、いい人とは人間的資質の高い人であると、ズバリ言いきっている。 
「いい人」を採用すれば、自然に「いいサービス」ができるということだ。

サービスで有名なこの店のこととて、さぞかし立派なサービスマニュアルがあると思いきや、新入社員に手渡されるものは紙片一枚だけ。 
そこには、「自分の思うように堂々と行動しなさい」とかかれているだけだという。

客と対話をするときは、話の内容よりも話し方のほうが、はるかに重要な場合がある。 
これは話し手が自分の人間的資質をとおして、聞き手に「心から聞く耳」をもたせる環境を創るときであり、このプロセスが客に絶対的な信頼を植え付けるときでもある。

UCLA(カリフォルニア大学)で心理学を教えているアルバート・マレービアーン教授によると、人のメッセージが言葉によって判断されるのは、わずか7%であり、38%はパラランゲージ(周辺言語、すなわち口調、雰囲気、ブレス、間合い、熱気、人柄など)、55%は顔などの表情によるものである。 
また、米国心理学会でも、別の研究事例を通じて、メッセージが言葉で判断されるのは、同じく7%であり、残りの93%は態度、雰囲気、表情、人間的資質であると発表している。

新サービス論には、このような要素までも含まれなくてはならないというのが重大な結論である。
専門店では、これからは客の購買動向の心理的考察という側面を強力にとりこんだサービスの有無が、経営の成否のカギとなることは確実である。
経営者は高い人間的資質の形成にむかって自己啓発せねばならない。
しかし、自己啓発と新サービスの表現には、並々ならぬ努力と長い時間が必要である。

ハーバード大学のロバート・バゼル教授は「本物のサービスを実現するためには、並々ならぬ固執性と持続性が必要である」といっている。
INDEX↑






























9.工務店へのリテールサポートで差別化する
 メーカーや問屋にとっては、小売店に対するリテールサポート(小売店への知的支援)が最も有力な経営手法の一つであり、差別化であって、その能力の有無が、メーカーや問屋の優勝劣敗を決定する。  
つまり真
の価値競争とは何かを解明するマーケティング戦略が唯一、成功への道である。  これとまったく同じ理論で、ハードカテゴリーセンターは、その重要な顧客である工務店に対し、リテールサポートのできる能力をもつことが、必須条件であるということになる。
工務店に対し何とかしてくれと、ただ傍観するだけならば、それは従来型の金物店と何ら変わるところはなく、近々、消滅の運命にある。
ハードカテゴリーセンターとしてのリテールサポートとは何か。それは工務店がこうすれば成功するということを一緒になって解き明かすことである。


A.工務店は地域密着型である

一般的に工務店は限られた地域において、地縁・血縁で仕事を行っていることが多いが、これも地域密着の一つの顕著なパターンであろう。しかし、地縁・血縁は有限でしかない。
ここでいう地域密着とは、限られた地域内ではあっても、マーケティングの視点に立って、不特定多数の見込み客をどのようにして獲得していくかという戦略のことである。

工務店では、経営者は地元住民であり、地元の職人を使い、地元で仕事をしているので、地元から逃げたり、かくれたりはしない。表現をかえれば、限られた場所で仕事をするしかないことになる。堂々と、信頼のある仕事を地元に残すことで、仕事ぶりと内容は評価される。しかし問題はここにある。社会変化が価値基準をかえてしまった今、地縁・血縁ではなくて、独立した強い営業力を発揮できるノウハウとは、一体何なのか。

かたや大手住宅企業になると、この地域がダメならあちらの地域といったように、そのターゲットは、変わりがちである。営業マンにも転勤やリストラがあり営業所の撤退や移転もあるなど、必ずしも特定地域に根をおろす体質にはなっていない。またテリトリーが大きいため、特定地域の深耕力は工務店にはおよばないという構造的な弱点をもっている。  そこが狙い目なのだ。大手が狩猟型であるのに対し、工務店は農耕型である。こつこつと地域を耕し、種を蒔き、心をこめて育て上げ、そして収穫する。
このプロセスこそ工務店が取り組むべき地域密着型の優位性を問う価値戦略そのものである。


B.「ダサイ」といわさぬ工務店経営とは

大工棟梁型の工務店といえば、まず問題になるのは、
彼等が固有するトータルな雰囲気であるが、それは多くの場合時代遅れとかダサイという一般的な通念をまぬがれ得ない。 たとえば、チラシづくり一つをとってみても、「センス」と「職人の腕と温もり」を上手にとり込んだ表現を編み出さない限り、特に消費の主役といわれる団塊の世代とその子供の世代(団塊ジュニア)を相手どった経営はできない。
 大工棟梁型の経営者自らが時流に沿った感覚を持ち合わせていればいいが、多くの場合はそうではない。
 これは何も工務店に限ったことではなく、金物店や他の企業にも共通する考え方であ。、一般的に経営者は素早く時流を見極めて、弾力的な対応力をもたねばならないが、ここで何よりも重要なことは、たとえ自らはセンスがなくても、経営にセンスを取り込むことの重要さがよく理解でき、納得できる経営者であればいいということだ。 

C.コアコンピタンスの適用法 

コアコンピタンスとは非常に重要な、経営上の考え方である。わかりやすくいえば、「自前」と「外注」を上手に組み合わせた経営手法といってもいいだろう。

つまり外部(他社、他人)の経営資源を上手に利用することによって、自社の不得意な部分を充実させ、その結果自社の経営を、より幅広く、より確実に、より信頼の高いものに経営基盤を創り上げることである。
さて、工務店におけるコアコンピタンスの適用法としては、どんなものが考えられるでろうか。 
 たとえば、チラシづくりを例にとれば、その企画を能力ある人に依頼(外注)し、生活者が納得できる、説得力のあるものを創り上げることである。
このようなデザインレイアウトがらみの処理能力をもった人は、地域社会に数多く存在するのが、高度人間社会の特徴ですらあるのだ。

能力のある人を見つけ出して、経営コンセプトを明確につたえ、企画制作を外注するということになる。
 コストはかかっても一流の企画会社に依頼するわけではないので、少ない経費ですむし、今後、表現がらみの仕事では、他にもいろいろと相談相手にもなってくれるので、非常に有り難い存在であることを強く認識する必要がある。 つまり、上手に人の手を借りる経営手法がコアコンピタンスの基本的な考え方なのだ。従来ように、アイディアは浮かんでも、自分に表現能力がない場合、ついオックウになってしまって、実行に移せないまま、みすみすチャンスを逸していることの方が、よりコストがかかる(売り上げ不振)結果になってしまうことを、よくキモに命じておくべきだ。ケチッテ何事も自分でこなそうとする考え方は、今では御法度であって、全く通用しない。それでもまだ通用すると思っているガンコな経営者がいたとしたら、アナクロニズム(時代錯誤)として一笑に付されるだけであろう。 
 見込み客へのアプローチも同様である。建築士やインテリアコーディネーターと組んで仕事を進めることが重要であり、先にふれたように僅かな出費でしかなく、工務店のオヤジはダサイといって壁を立てかけられることもなくなるというものだ。

D.施工現場を宣伝媒体にする
工務店では、大手住宅企業と同じような大々的な宣伝をすることはできないからといって、なげいてみてもはじまらない。同じことをすれば負けるに決まっている。したがって、工務店の戦略の中枢は、差別化というキーワードで、施工現場に考え方のすべてを集中させることである。すなわち、現場そのものを、宣伝媒体にするノウハウをつくりあげることだ。

そのためには、たとえば今、行程の中の、どの部分を、特にどういう問題点に留意して、どのようにして作業を進めているか、いいかえれば、この団塊では何を特にアピールすべきなのかを、明確に表現できるようなPOP的なカンバンを現場に掲げることであり、作業の進め方の内容を、全く新しい切り口で組み立てることである。「こんな面倒なこと出来るか」と反論もあろうが、それは従来系の考え方の中に我が身を置いている証拠である。  頭の中を真っ白にしないと、一歩も前に進まない。
 けっして面倒なことではない。いったんこれをシステムとして創り上げてしまえば、それに沿って進めること自体が、自分に大きな誇りと、やる気、楽しさを与えてくれることになって、むしろスムースに仕事を深耕させることすら出来るものだ。
結論的には、新しい視点で、行程や原価の管理を徹底することを、一つの流れとして組み込んでいくことが市場制覇へのアプローチということができる。ケチッテ何事も自分でこなそうとする考え方は、今では御法度であって、全く通用しない。それでもまだ通用すると思っているガンコな経営者がいたとしたら、アナクロニズム(時代錯誤)として一笑に付されるだけであろう。 
見込み客へのアプローチも同様である。建築士やインテリアコーディネーターと組んで仕事を進めることが重要であり、先にふれたように僅かな出費でしかなく、工務店のオヤジはダサイといって壁を立てかけられることもなくなるというものだ。

D.施工現場を宣伝媒体にする
工務店では、大手住宅企業と同じような大々的な宣伝をすることはできないからといって、なげいてみてもはじまらない。同じことをすれば負けるに決まっている。したがって、工務店の戦略の中枢は、差別化というキーワードで、施工現場に考え方のすべてを集中させることである。  すなわち、現場そのものを、宣伝媒体にするノウハウをつくりあげることだ。
そのためには、たとえば今、行程の中の、どの部分を、特にどういう問題点に留意して、どのようにして作業を進めているか、いいかえれば、この団塊では何を特にアピールすべきなのかを、明確に表現できるようなPOP的なカンバンを現場に掲げることであり、作業の進め方の内容を、全く新しい切り口で組み立てることである。「こんな面倒なこと出来るか」と反論もあろうが、それは従来系の考え方の中に我が身を置いている証拠である。頭の中を真っ白にしないと、一歩も前に進まない。
 けっして面倒なことではない。いったんこれをシステムとして創り上げてしまえば、それに沿って進めること自体が、自分に大きな誇りと、やる気、楽しさを与えてくれることになって、むしろスムースに仕事を深耕させることすら出来るものだ。

結論的には、新しい視点で、行程や原価の管理を徹底することを、一つの流れとして組み込んでいくことが市場制覇へのアプローチということができる。

E.顧客情報の管理の仕方

従来の地縁・血縁による受注の形態は、すでに今も先細りの状況にあるが、今後は消滅の運命にある。
それは地縁・血縁そのものの価値観が事実上、さらには社会通念としても存在し得ないことを意味する。
たまたま「家を建てそうだ」という地縁・血縁による受動的な形での情報の入手でしかない。  そうではなく、いわば「幸運な受注発生」という偶発的なものではないカタチとして、自らの力で積極的にエリアマーケティング(地域市場開発)を行って、その結果としての尊い収穫でなければならないのだ。
そのためには、まず顧客開発のデータベースを創りあげることである。工務店が積極的に顧客開発にのりだすのは、金物店がハードカテゴリーセンターとして、自らの力で工務店を含む多くの需要客を開発するのと、まったく同じ関係だ。 
さて、顧客情報データベースづくりとは何か。 

それは大手企業と比べ、「絶対優位」を確信できる差別化であり、第一のステップである。
まず、商圏内の全ての住宅と家族情報の収集であり、その中から見込み客としてデータどりの必要なものを整備することから始める。
こうして得られたデータは、常にアップツーデイト(最新)なものでなくてはならぬが、これは頭に記憶することや、メモることではなく、パソコンにインプットすることによって、常に情報の差し替えのできる一覧性のあるものにしておくことが肝要である。
すなわち、およそ何ヶ月後、何年後の客になるかを見極めるため、現住宅の狭小の度合い、都市計画による建て替え、土地の相続、土地の所有、子供が所帯を持つ、などの要素から分析し、この有効性を高めていく日頃の経営努力が必要である。農耕型とはこういうことをいう。
最近よく、アルバイトの女性を使って「建て替えの予定はありませんか」といった口調での、電話による一本釣り戦術は、まさに狩猟型経営の典型的な事例であって、これにダマされる客はいない。  だいたい、ズボラにも客を電話口に呼び出して商売をしようというのが間違いなのだ。コツコツと足を運ぶ努力と姿勢が結果的に、客に大きな信頼と安心を与えるものであり、さらにその担保となる建築に関しての幅広い卓越した知識と、人間的資質の高い営業マンにうらずけられた活動が展開されるべきである。
大手になると地域の見込み客の情報が個人資産化されるというマイナーな要素を持つため、情報のオープン化が妨げられ、営業マンごとの情報のとり方、逐次の訂正など、情報が錯綜するので、データベースの運用が難しくなる。
工務店の優位性は世帯が小さい分だけ、一つの情報に対し、全員の意見統一が容易になり、的確に、俊敏な対応が可能となる。このようなことをいろいろ教えていくのが工務店に対するハードカテゴリーセンターのリテールサポートだ

INDEX↑





































8.住宅建築と工務店の今後
 .需要構造と競争構造の激変
 住宅企業の大手から、地域単位で活動するハウスビルダー、工務店、はては大工棟梁型工務店の零細にいたるまで、すさまじい数の住宅建築業があるが、かつてはそれぞれが、「棲み分け」というスキームによって経営が維持されてきた。
 しかし、最近では在来工法、プレハブ、ツーバイフォー、輸入住宅、スチールハウスなど、消費者の好みによって、その境界がなくなりつつある。 そして特記すべきは、個人の価値観によって、住宅の選択がおこなわれるようになってきたことだ。

 例えて言えば、豪華なキッチンは、ある人には最高と映るだろうが、ある人には最悪としか映らないだろう。  それはシンプルなキッチンの方がカッコイイと考える人達であり、むしろ他の部分を充実させたいと願う人達が主流をしめるような傾向が目立つようになってきている。
 この現象は、需要構造の大きな変化であると考えなくてはならない。このような流れに沿って、さらにコストパフォーマンスは、ことのほか重要な競争戦略として位置づけられることになる。
 コストパフォーマンスとは、価値に見合った価格ということであるが、この不況時にあっては、特に価値を高めて価格を下げる努力とその実現が住宅販売では最優先される。

そのためには住宅の価値の優位性を問う競争が繰りひろげられることになって、競争構造がマーケティングの視野において、根本的に塗り替えられることになるのだ。

B.木造住宅の競争激化
金物店にとって、非常に大切な客である工務店が今、特に大きな影響をうけている。
いうまでもなく、住宅受注の激減である。

長びく不況による新築着工件数の減少という、いわゆるパイの縮小の問題だけではない。
工務店にとっては、価格構造の変化と、従来の棲み分けがなくなって、あまりにも多くの競争相手が出現したのである。その競争図式はますます複雑化し、工務店は一体、誰と戦っていけばいいのか、わかりにくい状況に追い込まれている。勿論、工務店は今までも競争を強いられてきたが、それは大手在来木造企業(住友林業、太平住宅など)とそれに準ずる地域ハウスビルダーとの戦いの構図であった。
しかし、今や大手プレハブ企業(積水ハウス、旭化成、ミサワなど)の在来木造はの参入、部品・資材・住宅設備企業(トステム、松下電工、住友林業など)による、木造の独自新開発を基礎とした工務店のグループ組織化への動き、地域ハウスビルダーの独自の取り組み方などによって、その競争図式は混迷さを深めながら、ますますボーダレス化してきている。

C.大手住宅企業の戦略転換
今でもあちこちに見られるものの、大手企業、準大手企業による総合住宅展示場作戦は次第にその効果を失いつつある。
かつて、多くの消費者が住宅に関して共通の価値観を持っていた時代には、迷わず展示場に出かけ、比較検討することがマイホームづくりのオーソドックスなプロセスでもあった。
しかしながら各社の競争論理は、生活シーンや雰囲気づくりの演出をますます濃厚なものにし、皮肉にもその結果は、各社とも横並びの感じになって差別化からはほど遠い結果へと収束する現象が生じることになった。さらには、あえて華やかなイベント合戦を繰り展げ、セールスマンを増員し、来場者の自宅にまで押しかけて、受注に結びつけようとする強行作戦が展開されたものだ。

当然のことながら、このような競争戦略は住宅コストを高めることになる。多くの展示場と多くのセールスマンの確保は、大量生産・大量販売を原則とする時代の販売戦略でしかないのだ。
しかし、バブルがはじけ、消費者の住宅に対する価値観の大変化の中で、大手企業ではその戦後処理が大きな問題になっている。大手は工場設備をはじめ組織規模が大きい分だけ、苦しい経営状況にあるといえる。今や、コストのかかる総合展示場そのものの見直しと、展示場を拠点に活動する多くの営業マンの大幅な人員削減が急務である。いわゆるリストラクチャリングであり、展示場なし営業マンなしの販売方式への転換である。展示場方式に代わる新しい販売方式として各社が開発に力を注いでいるのが、カウンター方式である。カウンター方式では、消費者が必要とする情報が確実に入手でき、材料サンプルなど実物を実際に手にとって吟味し、理解・納得できるよう、厖大な資料が用意されている。また、必要であればいつでも専門家が応対して、消費者の満足を一緒になってつくりあげる仕組みへの挑戦である。積水ハウスの「納得工房」や、エスバイエルの「スマイリングプラザ」なども、この方向性を示唆しているという。

時代の変化スピードは本当にはやいものである。
思えば私が家を建てたときも、数社による凄まじいハーどセリングを受けたものだ。今では、マイカーのセールスでも夜に自宅まで押し寄せるという販売方法はすっかり姿を消した。車でも家でもそうだ。今では消費者は、いくら売り込みに来てもけっして買おうとはしない。自分のほしいものがあれば、自ら足を運んで、納得するものを購入するのが現在の消費者の行動パターンである。大手住宅企業はいま、小さな組織に生まれ変わって、消費者へのきめ細かな対応を迫られることになったが、これは非常に難しい問題である。 きめ細かな対応ということになれば、見方を変えると工務店にとって、またとないチャンスが訪れたことになる。 

D.棟梁型工務店の動向と金物店
工務店の中の多くが、この棟梁型ということができよう。
地域密着型のこのタイプは、地元に多くの実績をのこしながら、主として地縁・血縁で仕事をこなしてきた業種である。
その多くがいま、地元商店街の小規模な小売店と同じように衰退の道をたどりつつある。 このまま放置すれば間違いなく経営は行きずまる。

従来どおり地縁・血縁で仕事をとることには当然のことながら限度がある。ましてや工務店のもっている全体的なイメージは団塊世代以降の消費者の価値観に照らし合わせたとき、これはアナクロニズム(時代錯誤)としか映らないほどかけ離れたものになっている。

営業力が乏しく、コネで仕事を得ている工務店の力が弱まれば、これまた待ちの営業といわれている昨今の金物店にとっては、現場がなくなるということであり、現状のままでは測り知れない打撃をうけることになる。

 現在の金物店の多くが期待していることは工務店が価値競争力をつけて、数多くの建築現場を継続的に確保してくれるこである。受動的な過去から脱却して、なんとしても能動的な体質に転換することこそ本当の自力経営といわれるものであって、工務店がどうすれば仕事量を増やすことができるのか、金物店自信がそのノウハウをもつことであり、私がいう「金物店から工務店へのリテールサポート」である。 このように、今までにない考え方をとりこまない限りいつまでたっても金物店の発展的な経営論と取り組むことはできない。
INDEX↑












































7.リニューアル時代の終焉とリポジショニング時代の幕開け
かつて、「リニューアル」という聞き馴れた言葉はあまりにも曖昧に解釈され、その内容も、人それぞれの認識の仕方によって、まったく焦点のない表現になってしまった。
もともとリニューアルそのものの意味は、読んで字のごとく、Renewal、つまり「再び新しくする」ということで、非常に抽象的な意味あいをもっている。  
 ここで新しくするということは一体どういうことなのか。 リニューアルの実体は現在においても、店側にとっては、ほとんどの場合、従来の思考系の中で、「店をキレイにし、商品構成を見直す」という概念に基づいた横並び的な事象として実行されているにすぎない。

 時代を見透した戦略的な経営理論の注入など皆無といってよいだろう。 つまり店舗を塗り替え、新しい陳列台を買い、問屋まかせで商品を入れて、「さあ、これでいい店になった」と自己満足してしまうことである。
それも、その多くが、心ない問屋の主導で行われているところに問題があるのだが、この重大局面にあって、問屋にまかせる経営者も経営者だ。


 勿論、問屋にも、リテールサポート(小売業支援)を重大な課題と位置づけ、小売業のあり方と、今後の方向性を継続的に研究しつずけ、立派な展望と経営理論をフィードバックしてのことであれば、これまた話は別である。優秀な問屋が実際に存在するのも事実である。
 
 しかし、現状では、ほとんどの問屋には、そのような余裕はないはずだ。今や、淘汰と再編成の波は容赦なく襲いかかってきている。まず問屋自身の体質改革による方向の変換、生き残り方こそ問題であり、問屋自身が迷い迷っているときに、店の主導権をとって、このときばかりはと有利に商品導入を図るという考え方は、まさに言語道断であり、店側にとっても迷惑千万である。 

 実際に、問屋がリニューアルを主導したために、「こんな店に誰がした」と非難され、あげくの果てに永年の取引が中止されるケースが増えているのは当然のことである。
時代を象徴する諸要素の変化に対応する業態改革は、問屋、小売業を問わず死活問題であることには変わりはない。
 私の永年の経験から、店をアレンジしなおすときには、たとえ何ヶ月、何カ年かかろうとも、店の経営者が、新しい経営理論を充分に理解し、納得するまで徹底的に議論しあうべきである。つまり、人間の精神構造の再構築が、必要なのだ。
 
 新しい時代での専門店としての自店の位置づけを明解にできず、理解力を欠く経営者の場合は、今のうちに廃業したほうがいい。 これからは、情報把握と理解力(納得)、人間的資質の三要素がなければ、経営者であり続けることはできない。私は、今後あいまいな視点の多すぎる「リニューアル」にかえて「リポジショニング」という表現を使うことにする。リポジショニングとは、誰に、何を、どういう形態でサービスする専門店なのかを、時代背景に照らし合わせて、自らを明確に位置づけることであり、それを実行に移すことである。

 そのためには、広く他業種・他業態の流通業をも、人ごととは思わないで積極的に勉強し、大いに関心をもつことによって、その中から自業態のありかた(スタンス)を編みだし、専門性や店の存在理由を自らの頭に徹底的に、たたき込むべきである。

リポジショニングを実行することによって、

@     精神構造系の再構築により自店の進むべき方向と経営手法が明確となる。 
A 経営者マインドが旺盛になり、時代対応が前向きになって、大きな自信がえられる。
B 経営者は勿論のこと、社員全体の人間的資質が向上し、大きなエネルギーを創り出す。
C ハイテク化、電子ネット化によって、さらに合理的効率的な経営ができる。などの相乗効果によって信頼と売り上げが増大し、明日へ向けて着実な歩みをスタートさせることができる。

 
 時代は間違いなく、「リニューアル」的な考え方から、整然と理論体系づけられた「リポジショニング」思考に移行している。
INDEX↑






































6.業界土壌改革の基本的要素は何か!
今でも、業界全体での活動は全くといっていいほど変わりばえのしない状況にある。メーカーや問屋による展示会に人を集めて売り上げを得ることや、小売店同志が和気あいあいと親善旅行をするなど、勿論これは悪いことではないが、従来の活動の仕方と根本的に変わろうとする何の胎動をも感じることができない。

社会環境は猛スピードで変化し、気がついた時には動きがとれない局面を迎えてしまうことにもなりかねない。  業界全体が「一緒に変わろう」という明確な目標を設定し、これに向かって力強くたちあがらなくてはならない。
商品構成をこうすればいいとか、店をリニューアルすればいいと言う次元での問題解決策は、本質的な大変革の中にあっては、色褪せたものでしかなく、とうてい力を発揮することはできない。 

人間の論理にもとずいた、経営者や従業員のありかた、ものの考え方によって、大きな基本的な改革をしないかぎり、決して解決策にはならないだろう。

A.下請け体質から脱皮できるか
金物店、建材店など従来型の業種では、業種的には寡占化されたマーケットが形成されていることに、あぐらをかきながら、今日まで歴史的、伝統的な小売業として、その存在を優位に維持してきた。
しかし、今やこの伝統的業種という考え方と、そのスタンス(位置づけ)が近代化の芽をつみ取ってしまう結果となった。金物店枢は減少の一途をたどり、今はひっ迫した状況下にある。

何がそうさせたか。それは業種として、販売活動はひたすら受け身の体勢であって、自力で売り上げを創り出し、伸ばしていくという経営手法には非常に消極的であったからだ。 
 すなわち、住宅の新築戸数が減るから、店の売り上げも減るという「相手まかせの経営」は、この業種が建設業の単なる下請け業でしかないことを的確に物語っている。
 好・不況の波はあっても、常にじっと受注を待ち続ける受動的な体質から脱皮して、能動的な経営体に変化する必要がある。
これがハードカテゴリーセンターであり、能動的な経営については、この
web上で、数々の要素として具体的にとりあげてゆきたい。 
今、必要な変化を邪魔している多くの要素の元凶は経営者の従来型思考であり、硬直化した従業員である。すなわち、企業内相互の上下関係や人間関係には、根強い封建制がはびこり、変化を嫌う体質が、下請け体制を、頑固なまでに維持し続けている。ハードカテゴリーセンターは、このような業種が歩んできた一切の経緯を否定し、何がマーケットのために最善であるかを考え続ける経営体であるといえよう。
つまり、市場原理にもとずいた、外資をも含めた大競争時代にあって、その経営手法は科学的、論理的であり外部の情報に敏感に反応する柔軟な頭脳を操作する先進的な組織なのである。


B.権益を否定できるか 
グローバルな現象として、財を生むものが、「金・モノ」から「知・ヒト」へと質的な大転換が日常茶飯事となっている。ということは、全ての思考の根源が「資本の論理」から「人間の論理」へと体系化されてきているということである。人間の論理では、その一例として、「権益」はハザード(障害物)でしかなく、「人権」がその主役を演じることになる。
権益とは既得権であり、ヒエラルキー社会での地位のようなものである。そこでは、一般的には課長、部長というふうに昇格、昇給して、その地位が安全に組織の中に組み込まれるという、いかにも日本的な土壌のことであって、一度、組み込みが行われた後は、既得権として、人間的資質や実力はあまり関係しないという組織構造のことである。日本では、やっと今リストラクチャリングという形でその崩壊がはじまった。 こういう一連の既得権は、もともと米国には存在しない。ニューヨークのコロンビア大学で教授をしていた私の友達の話では、自分が研究室を持ち、教授の地位を維持するためには、毎年研究内容を明確にしたプロポーザル(企画書)を提出し、厳重な審査を経て、研究費を自らの力で勝ちとらねばならなかったという。 
このように、力のある者が認められて、組織内での地位を得ることができるのが人権というものである。 
ある中国人が不思議そうに話す。 日本は中国よりも社会主義が徹底している国だという。
 仕事がよく出来る者にも、出来ない者にも、同じ給料が支払われ、上意下達の垂直的な指令体系が基本にあって、優秀な者が、いい給料を得るという人権なるものは、自由主義国家の一体どこに、存在するのだろうか。 今までは、確かに日本はそうであった。

これは人間の論理の一側面でしかないが、今後「財」を得る方法が大いに改革されないかぎり、企業の存続と発展はありえない。常に前向きに勉強し、人間的資質の向上を目指す者が、より上の地位につき、それなりの報酬を得るのが人権というものだ。
「財」を得る方法の主役は、既得権ではなく、人権であるということを、より理解し、納得しないかぎり業界での土壌改革を進めることはできない。
INDEX↑























.三位一体システム化による業界大革命はこれだ!
別項にて、「ハードカテゴリーセンターとは何か」ということでその概要を述べたが、これだけでその本質を示すことは、当然不可能であることはいうまでもない。 ハードカテゴリーセンターを支える理論と、経営にかかわるオペレーションプログラムは、、究極としての集積重層化されたソフトウエアのことであって、それを下支えする個々の、多くのサブプログラムの集積として、理解されなくてはならない。 
そのサブプログラムがこの
webに書きつづる各論文のテーマになっていると考えてよいだろう。
金物業界もいよいよ業界革命断行の局面をむかえた。右往左往しながら、その日暮らし経営を続けるという虚構からの脱出を、経営者自らが実感し、問題解決のため動きだそうとしている。
業界での多くの企業が、何とかせねばということで、それぞれが、それぞれの方向を創り出そうとあえいでいる状況は心情的にはよく理解できるのだが、業界が一つの大きなベクトルとなることが、唯一のソリューションなのだ。  ベクトル創出のためには、何よりも方向性とその目標が明確に一体化されることである。

それは、私が繰り返し提唱しているハードカテゴリーセンターへのアプローチである。
そのためには、新しい枠組みの中でメーカ、問屋、小売店がそれぞれの担当分野のポジショニング(部位と名付ける)を明確にすることから始まる。
もはやインフレの再来はないとされるこのグローバル化社会では、一つは、特に中国の生産競争力に注目する必要がある。中国人民「元」の切り上げがないかぎり、中国の優位性は変わらないということ。 二つは、日本の複雑な流通構造が競争力を打ち消す方向に作用しているということ。 三つは、生活者のレベルの向上がサービスのさらなる高度化を要求するようになったことなどである。
このような市場背景を熟考するとき、金物業界の構造改革、すなわち一体化された企業体への移行は、必然的な流れである。一体化された企業体とは何か。

 メーカー、問屋、小売店がそれぞれの部位として合体した企業化を図ることである。

A.メーカー部位

従来型の自前での生産型、企画発注型(アウトソーシング)から、商社機能をもった製品収集型に変換されることが重要である。 マーケットに適合する商品を見つけだして、その流通を確保することである。
問屋に変わって、関連もしくは新分野の商品発掘が重要になる。自前で生産した商品だけに固執することは、よほどの競争力をもたないかぎり、リスキーである。

B.問屋部位

問屋部位の役割は、一体化された企業体の中枢をになう非常に重要な機能をもつことである。 すなわち、小売店が必要とする商品を、欠品させることなく、必要とする商品を必要な量だけ的確にサプライすることである。また、必要な商品と必要な量をあらかじめ予測し、メーカー部位にカンバン方式」で指令を送る役割を演じる。
メーカー部位もその指示にしたがって、生産もしくは収集する。これは問屋部位、小売店部位においても同様である。

いずれの部位においても、思惑でおおくを在庫することは一体化された運命共同体である企業体に決定的なキシミを生じさせることになる。 メーカー、問屋、小売店の各部位がそれぞれ、最適経営によって、利益を生み出し、それが企業体全体に利益を還元する。
これを可能にするには、当然のことながら単品管理システムが大前提であって、メーカー部位から小売店部位にまでコンピュータシステムがその中心を貫いていることが絶対的な要素となる。いわゆる、ITオペレーションの巨大なシステムのことである。

C.小売店部位
最も大切な役割は小売店側の高度な人間的資質に裏付けされた、客づくりである。
問屋、メーカー部位の努力に応えるべく、連日新しい客づくりが徹底されるべきである。
いわゆる、一体化された企業内での分業であり、コアコンピタンスの徹底である。(コアコンピタンスについては、別項で詳しく述べることにする)
企業体の究極の目標は、客あっての商売であり、小売店部位が川上の部位へ有効に影響しあうことによってのみ、運命共同体は形成される。
極論ではあるが、小売店の部位では客づくりだけを考えていればいいということだ。
このような一連の部位のかかわり合いこそ、まさにIT戦略そのものなのである。
INDEX↑








































ハードカテゴリーセンターとは何か!
ネット連載のメインテーマになるハードカテゴリーセンターについて、まずはその概要をまとめておこう。
 要約していえば、ハードカテゴリーセンターは、専門分野を住宅関連カテゴリー(先で詳述)の商品とその周辺ノウハウ、および情報の提供に特化させ、ハードとソフトの両面において、電子ネット化された経営管理システムによって運営される新しい経営体のことである。 それは、全スタッフの高い人間的資質によって創り出される全く新しい業態であり、そこではハードカテゴリーにおける客のニーズに対して、最大級レベルのホームソリューション(住宅関連問題の徹底的解決と客の最大の満足)がつねに優先される。
 そして、その結果として地域社会に不滅のロイヤリティー(信頼)を築きあげるという経営の哲学が基本になっている。 

 メディア主導の高度人間社会にあって、新業態として評価され、成功する条件は、まず第一に、新業態の本質がよく理解でき、納得できる高い人間的資質と精神構造を創り上げることであり、二つ目は、電子ネットの上手な利用の仕方である。

 さて、対象とする顧客は、ハードカテゴリー商品を使って施工に携わる 職人や企業であり、これらを総称した、いわゆるプロ客と呼ばれる客層が主軸となる。
 この他にも、DIY客や、BIY(
buy it yourself)の略で、自分で商材を買いもとめて、施工をプロに依頼する)客のための需要や、住宅のリフォーム、新築など、広く生活者のホームニーズに全面的に対応できる機能をもつことで、一般客もまた非常に重要な対象であることが、新業態の青写真には鮮明に描かれていなければならない。
 一般客は今後、DIY関連商品の購買客というよりも、むしろリフォームという巨大市場からの発注者という位置づけで、ことのほか、重要な客として客層として対応することが絶対優位なスタンスであり、戦略でもある。


 DIY派の減少傾向
 いま、米国でもDIYについて大きな変化がおきている。  人口の三分の一を占めるベビーブーマー世代を中心にDIY派が減少する傾向にあるのだ。  そして、ちょっとした修理やリフォームなども専門家に依頼するという、かつでない生活者の行動変化に、米国のホームセンターは急きょリフォーム職人の組織化やネット化に取り組むことによって、需要構造の変化に対応しようとしている  日本でも、新築住宅の減少により、リフォームにかかわる工務店や職人のウエイトが急増する傾向から、リフォームへの取り組みが非常に重大な課題として浮上し、その市場規模は7兆円とも10兆円ともいわれている。
 さて、そこで、ハードカテゴリーセンターの究極的な目標といえば、プロ客、一般客をとわず、客の細分化された高レベルなニーズに徹底的に応えることである。そのためには、ノウハウとして開発された客のニーズに対するクリヤリング機能(解決能力)を有効に駆使することによって、ハードカテゴリー全般のクリヤリング機能を高めることである。
 今後は、グローバル的な見地から流通業は大きく分けて三つの業態に収束すると考えられる。 このことは前にも詳しく書いたが、ハードカテゴリーセンターは、その中のカテゴリーキラーという業態類型としての使命をになうことになるのだ。
 カテゴリーキラーというからには、特定した分野での、超専門集団としての立場を、いかにして明確にし、それを実行できるかが、経営手腕になってくる。
 ハードカテゴリーセンターの「センター」という位置づけは、有効情報の発信の場であり、また客のニーズの受信の場でもあることを意味しているが、その結果、究極的には商圏内のハードカテゴリーにおける全ニーズが集中し、商品や関連ノウハウが集中する場所でもあるからだ。

 欧米の住宅様式が日本でも定着する方向にあることから、ハードカテゴリーで実力を発揮するためなは、従来にはなかった情報ネットやロジスティック(流通ノウハウ)を、どう開発し、どう駆使していくのかという能力んお有無が、ことのほか重要な問題になってきた。 さて、ここで誤解のないようにしたいのは、カテゴリーキラーという一般的概念では、規模的に大きな店であると考えがちであるる。 しかし、ハードカテゴリーセンターはカテゴリーキラーであるとはいえ、大型店は日本ではむしろ不向きであるといえる。
 むしろ売り場面積50坪〜l50坪程度を想定しており、店舗と倉庫を区分しない新しい視点での一体化の店づくりが基本となる。 スタッフ数は、4〜5人から8〜9人くらいまでが標準になると考えてよい。 市場規模(リフォームを除く)は、現在、およそ二兆円と推定されるが、2006年頃には6000店のハードカテゴリーセンターが、大小の差はあっても、それぞれの力量に沿って商圏を分かち合うような型で存在することになろう。 一店当たりの売り上げ規模は平均およそ3億3000万円、粗利益20〜25%が予測されるが、リフォーム対応が本格化するにつれ、市場は巨大化し、売り上げもさらに大きなものになることは確実である。
INDEX↑




























3住関連商品ジャンルの正しいとらえ方
住関連商品、と一口ではいうものの、その解釈の幅は広く、多岐にわたっているので、一般的には、漠然とした区分であるという感じはまぬがれない。
当然のことながら、住関連商品ジャンル(区分)の構成には、視点のとり方でいろいろな組み立て方があろうが、早急に、統一された考え方によってッジャンル構成を決定することこそ、流通業の業態化を進める上で非常に大切なことになってくる。

 住関連商品は、概念的な観点から、用途別特性、販売形態的特性にもとずいて、複数のジャンルに分けて考えることができる。
 私は、この一つのジャンルのことを、「カテゴリー」と呼ぶことにしている。というのは、米国に見られる先進した流通理論の中から、合理性、妥当性を持つジャンルの呼称を抽き出 してくるとすれば、それはもはや、「カテゴリー」という表現以外にはないという認識を持っているからだ。

 グローバリゼーションの渦中にある日本にとって、今後、呼称一つにしても、グローバルな流通理論に沿った正しい見方、正しい表現、正しい流通用語として慎重に使用されなくてはならない。
 そうでないと、呼称から生ずる誤解が今、新しい流れに気づいて、その流れに乗ろうとしている日本の多くの流通業にとって、混乱と、さらなる低迷の原因にもなりかねないからだ。 
 具体的にいうならば、日本では今、何の配慮もなく勝手に、単なる大型ショッピングセンターを「パワーセンター」と名付けてみたり、単なる大型店を「スーパーセンター」などと表現しているのを見かけるが、グローバルな流通革命が進行する中で、これは大変おかしなことである。
 今、ここではその説明は省くが「パワーセンター」なり「スーパーセンター」というのは、それぞれ流通形態、業態がらみで明確にされた重大な意味を持つ商業集積、または明確なるコンセプトを有する業態類型のことなのだ。 ここで再び日本流解釈などとならないよう、グローバルな解釈を徹底することによって、堂々と胸をはった業態の確立にむけ、われわれは自信を持って突き進むことを宣言しよう。

住関連カテゴリーは三つになる
 さて、ここでカテゴリーという商品区分で、住関連商品を分析・整理してみよう。 
 まず結論からいうと、ハードカテゴリー、ソフトカテゴリー、レジャーカテゴリーの三つに集約することができる。

 非常に重要なことなので繰り返すが、それぞれの用途的特性、販売形態的特性などにもとずいて、三つのカテゴリーから構成されるということになる。 
@ ハードカテゴリー  
 ハードカテゴリーには、住宅の建設、改善、補修、維持など、作業がともなう生活空間づくりという概念に適合する部資材商品、およびリフォームなど商品化された一連の作業などが含まれる。
 すなわち、建材、金具・金物、補修材、道具・工具、作業用品、住設、エクステリア、リフォーム、住宅販売などである。 
 ここでいう住宅販売については、現在では、小売業を通じて住宅が販売されるという、新しいチャネルが生まれてくると予測されるからである。 
 ベビーブーマー以降の世代に人気の高い輸入住宅や、基本構造的に標準化の可能なツーバイフォー住宅や、最近のスチールハウスなどが新しいトレンドを形成する主役を演じることになろう。 
 基本構造的と書いたのは、標準化といっても、間取りは自由であり、外観的にも個性を発揮できる住宅づくりが可能であることを意味している。
 ハードカテゴリーのマーケットとなる販売対象はsDIYをする人、工事やリフォーム、新築を依頼する人、という視点で設定される一般客と、業務用販売としてのプロ客やセミプロ客である。
 このハードカテゴリーで構成される新業態がハードカテゴリーセンターであり、その具体化路線が今、急浮上しつつある究極的な業態のことである。
 業態である以上、従来の業種型金物店とは、全く異質の経営体であって、単に金物店の進化したものであるという認識は、誤りである。 
 ハードカテゴリーセンターこそ、私の主張する有望かつ究極的な業態であることを、よく理解し、納得してほしい。 これについては、改めて書くことにしたい。A ソフトカテゴリー
 最近では、ホームファニッシング、広くはホームファッションといわれる感性的な要素の強い商品分野のことである。 
すなわち、生活空間のライフスタイル的演出、雰囲気づくりといった用途概念に組み込まれた商品群である。
 たとえば、カーテン、カーペット、照明器具、家具、ベット、インテリア小物などである。それぞれの組み合わせによって、ライフスタイルを演出するための小道具的な位置付けのものと解釈してよい。
 対象客は一般客が主体であるが、さらにいえることは、今後は特に感性を重視する人たちが、このカテゴリーの消費をリードすることになり、この分野だけに絞り込んだ、いわゆるカテゴリーキラーとしての業態が数多く進出してくることは間違いない。最近、出店の多い、家具分野出身の「ニトリ」など、先端を行くまったく新しいコンセプトによって、魅力的な店を展開しているが、この業態でのリーディイングカンパニーといってもよいだろう。

 外資の日本進出としては、すでに上陸しているものもあるが、今のところ比較的小振りな企業であり、これから進出するスエーデンのイケヤや、米国のスリー・ビー(ベッド、バス アンド ビヨンド)などは、目を見張るものがある。 日本でも、この分野への進出は、今後、急速な流れとなって、大きなマーケットを創り上げるであろうことは、間違いない。 ホームセンターからの業態転換も数多く行われるとおもわれる。 事実、米国ホームセンターで第二位のロウズはホームデポー(第一位)との差別化を図るため、ホームデコ(室内装飾)を核にした売り場づくりを実施している。 ホームデポでは「エキスポデザインセンター」やウエアハウス型の既存店でもでホームデコを充実させている。シアーズも同様にホームデコの売り場を拡大するとともに、ホームデコを核とした、アップスケール業態「グレートインドアーズ」の新規出店を鋭意継続中である。

B レジャーカテゴリー
 一般的に、園芸とかガーデニングといわれる分野がこのカテゴリーに入る。 時間消費型レジャーとしては花木や家庭菜園などの育成と、これに必要な園芸用具・用品がある。 また空間消費型レジャーとしては、生活空間をライフスタイル的に創造する要素的価値を持ち、またそれを鑑賞することで、心理的満足を得るという意味あいでの、ハーブなどを含めた草花、フラワーやグリーン、インテリアグリーン、トレリスやラティス、テラコッダなどのプランターおよびその周辺商品がある。
 対象客は圧倒的に一般客が多いが、生活文化レベルの高度化にともない、巨大なマーケットが予測される有望なカテゴリーである。
 この分野での、特に大型店としてのカテゴリーキラーの進出は、今後メガトレンド化し多くのホームセンターの園芸部門を呑み込んでいくことが予測される。 

パワーセンターとスパーセンターについて解説
 
パワーセンター
限定された業態の商業集積としてのショッピングセンターのことである。
ここでいう限定されたというのは、基本的にはカテゴリーセンターのことであるが、ディスカウントスーパーマーケット、ホールセールメンバーズクラブ、オフプライスショップなども含んで、全店舗面積のおよそ80%を占有するショッピングセンターをいう。
残りの20%はフードコート、レストラン、シネマコンプレックス(複合映画館)などで最強の商業集積であると理解してよい。


スーパーセンター
ディスカウントストアーは総合型であっても、ス-パーマーケットのような集客力はない。 
そこで、ディスカウントストアーとスーパーマーケットを二つの核として共有することで集客力のアップを狙った業態のことであって、強力なワンストップショッピングを究極の戦略として位置ずけている。総合型ディスカウントストアーは、今後、優位に経営を行うための、魅力的な選択肢の一つであることは間違いない。 

米国のウオールマートやターゲットなどは数多くのスーパーセンターづくりを継続的におこなっている。

INDEX↑









































2.ノンフード関連業態は三つの業態に収束する
日本流の自己完結型流通経済は完全に終焉した。
それは日本の中だけでの流通経済のありかたを、なんの疑問も持たずに押し進めてきたことに対する、必然的な結果である。
グローバリゼーションという国際的収束の波をとらえることなく、狭い視野と従来型思考系の中での経営への取り組みが、中途半端な日本流の業態を生み出してきたということになる。 そして今、低価格化やリストラなど急激な変化局面での対応に、右往左往させられることになったのは、極めて当然の帰着であるとしかいいようがない。
グローバル化の進む高度消費社会では、外資系を含めた多くの業態類型が存在するものの、基本的な特性を考慮した業態理論から推測すれば、究極的には大きく分けて三つの業態に収束していくことになろう。
金物店も時流に呼応した専門店(ハードカテゴリーセンター)として、後述するカテゴリーキラーの座を確立することが、今、求められる最大の課題であり正しい方向性でもある。

そのためには、流通業全体をグローバルな動きに連動させ、その対比の中で自店の存在理由を鋭角に理解し、納得しなくてはならない。
従来思考で、日本式の金物店のあり方を、あれやこれやと議論してみたところで、今や、なんの意味も持たなくなったことを、自らがよく認識することである。
そこで、収束する三つの業態、すなわちディスカウントストアー、カテゴリーキラー、スーパーセンターについての正しい認識が、まず必要である。

@ディスカウントストアー
業態論的にディスカウントストアーは、ノンフード・フルライン(非食品総合)型ディスカウントストアーを指すが、経営体づくりが最もむずかしい業態である。 あえていえば外見的にはバラエティー型といわれる日本のホームセンターのような形態であるが、中身はまったく違ったものである。 ディスカウントストアーに必要なのは、利益構造を内蔵した科学的なシステムによるスリムな経営フォーマットづくりであり、決してなまやさしいものではない。
大局的に見てホームセンターは、この難しい業態を狙って主導権争いを演じているように見えるが、現状を見るかぎりでは、ディスカウントストアー業態への到達には、ほど遠い距離にあり、究極的に、この業態づくりを達成するなは、せいぜい数社しかないだろう。業態論的にいえば、日本の多くのホームセンターに見られるようなバラエティーストアーは、米国では、もはや存在していない。かつてウルワースに代表されたバラエティーストアーという正統派の業態は、今では過去のものとして、完全に消滅してしまっている。会員制ホールセールクラブ(日本に進出しているコスコなど)もディスカウントストアーの範疇として考えてよい。
Aカテゴリーキラー

論理的に小売業の本質を追究したとき、究極的な業態として存在するのがカテゴリーキラーである。
専門分野をジャンルとして絞り込み、徹底した品揃えに多くの購買選択肢を持たせて、どこにも負けない価格で、しかも専門スタッフによって、サービスが提供される専門大店のことである。
ディスカウントストアーが、多くの分野の商品で構成される総合的なものであるのに対し、専門特化した分だけ、高レベル化した現在の消費社会で、優位なスタンスを持つ業態である。 そしてディスカウントストアーの最も脅威となるのがこのカテゴリーキラーである。
すでに日本進出に照準をあわせた米国のカテゴリーキラーたちは、日本の流通業の中途半端な状況を見抜いてのものであり、タイムリーな規制緩和、地価下落、低金利、一千四百兆円といわれる、個人預金の厖大なマーケット性に着目してでのものでもある。
日本でも多くの企業が外国勢に対抗して、マーケットを制すべく、専門特化をはかりながら、将来のカテゴリーキラーを執拗に狙っている。
日本と違って、米国のホームセンターは住関連部門に専門特化した、正統派のカテゴリーキラーなのである。
日本では、その特殊なマーケット性を考慮し、他分野のカテゴリーキラーに比べれば、店舗規模こそ小型ではあるが、この役割を担う業態類型こそ、ハードカテゴリーセンターである。

Bスーパーセンター

カテゴリーキラーを脅威とする、ディスカウントストアーのなかには、集客力の高い食品部門を取り入れ、ノンフード部門とフード部門の二大マグネットのシナジー効果を狙う流れが、急激に太くなってきている。
これがスーパーセンターといわえれる業態で、米国のウオルマート、ターゲットなど大手ディスカウントストアーが、次なる有望な業態として参入し、展開スピードを速めている。 売り場面積が大きすぎてショッピングが疲れるという反動的な世論もあることから、およそ四千五百坪の規模を限度に、出店や既存ディスカウントストアーの業態転換を積極的に行っている。
INDEX↑







































1.金物店も時代対応業変化を素早く取り込め

私が金物業界の仕事にかかわるようになって、およそ24年の歳月が過ぎた。
特にこの5年間は、社会、経済、流通など、構造的に目まぐるしい質的な変化に見まわれている。

想えば中央金物新聞に<金物店経営講座>を連載したのがきっかけとなり、誠文堂新光社からも単行本の執筆依頼を受け、2冊の専門書が出版された。いずれも、当時はグローバル化とそれにともなう対応や、流通業の究極の形態に照準をあわせた論文集成ではなく、金物店も業種的に寡占化した従来からのマーケットに、経験とスキル(熟練)を頼りに専門店として経営を続けていた。
売り上げの好・不調は常に景気が要因であるとしか考えない経営のあり方が業界を支配し、単調な経営は、ますますマンネリ化の一途をたどっていた。 そこで私は、この事態を重く受けとめ、将来的な見地にたって警鐘を鳴らし、経営者の新しい精神構造と経営方位、経営戦略を書く必要があった。しかし、この10年間で時代は猛スピードで変化した。その変化は経済構造的には、ケインズの理論が通用しなくなるほど大きなもので、生活者の価値観は人生観と連動して、供給者側の視点の転換と、真に生活者のためになる流通構造の再構築を迫ることになった。
それは特に流通構造的には、第2次産業革命といわれるメディア社会の始動であり、グローバルな視野なくしては、情報や商品に対する認識、つまりマーケティングやマーチャンダイジングが不可能になってきたことである。
そして全ての業態・業種が究極的な形態に収束して、残るべき業態・業種が極めて明確になってきた。 次はそれぞれの形態として、いかに付加価値を生活者に提供でき、その存在理由が評価されるかという問題意識の追求と達成である。

 
ディスカウントストア、スーパーセンター、メンバーシップホールセール、カテゴリーキラーなど、それぞれがビジネスコンセプトを明解にしながら、グローバルな大競争時代を迎えることになった。

こういう時局に対処するため、金物店は一種のカテゴリーキラーとして、どういうビジネスコンセプトで経営すればいいのかを解明することが大切である。折りしも、ホームページの、「丸田達夫の著作」の項目で「金物店のための新機軸による経営戦略」について連載講座を行うことになった。この連載では、金物店経営者に時代背景を通視できる複眼を持っていただけるよう、変革が進む流通業の大きな流れの中での金物店の位置付けを明確にすることによって、新機軸での経営がよく理解でき、納得できるような切り口で書いていきたい。
多くの金物店は、さきにも書いたように、経験とスキルによって日常の販売・受注活動を行っているが、今後の成長を考えるとき、あまりにも視野が狭すぎる。
流通業のひとつとして、どういう業態を確立するのがベストなのか、他業態との対比において勉強し、理解しようとする努力が金物店には欠けているのではないか。
それは、今まで経営してきた業績と自信に、変に裏付けされた自己万能的な考え方に甘んじすぎて、外界の変化をいち早く察知し、この要素を鋭意経営に取り込もうとする意欲が乏しいということでもある。
 
金物店も時代対応業であることをよく理解しなくては一歩も前に進めない。

最近では、スーパーストアの業界がにわかに騒然としてきた。というのも、世界最大の規模をもつ米国のウオルマート(年間売り上げは29兆円)が西友と提携して日本に上陸してくることが決定したからである。
このほか多種にわたる業界で外国資本の上陸がすでに行われていて、競争力の弱い日本企業が大苦戦を強いられていることは周知のとおりである。

地価の下落、円安、超低金利、大店法規制緩和を絶好のチャンスとみた外国資本の日本進出は今後あらゆる分野において活発になってくる。
金物店も例外ではない。2年程前に、一般客、プロ客をひっくるめて客層とする米国最大のホームデポ(超大型ハードウエア−専門店)の日本進出が報道され、この業界にも緊張が走ったことがあったが、この場合に限っては、私はこの企業の日本進出は絶対にあり得ないと断言してきたが、それは一体何故なのか、こういったもんだいにも触れながら今後このWebサイトを満たして行くのがこの連載である。
INDEX↑